サッカーの試合をめぐりトルコの政治家が与野党で応酬

カテゴリ:芸能スポーツ

  • 長友選手「最高の試合ができた」一方、ファンの熱さに驚きツイッターにも投稿
  • エルドアン大統領の発言でサッカーと関係ないところで場外乱闘が起きていた
  • リーグ戦残り5試合、長友選手が所属するガラタサライの優勝にも期待が高まる

長友選手「最高の試合が出来ました」

サッカーのトルコ1部リーグで日本代表の長友佑都選手が所属するガラタサライ(試合前リーグ2位)は15日、ホームでバシャクシェヒル(試合前リーグ1位)と対戦し、2―0で快勝した。

ゴールには結びつかなかったものの、長友選手はたびたびチャンスを演出、試合にフル出場して勝利に貢献した。

この一戦でガラタサライは首位に返り咲き、試合後、長友選手はリーグ優勝への意気込みを語ってくれた。

記者:
首位攻防戦でしたが?

長友:
最高の試合が出来ました。嬉しいです。

記者:
リーグ戦も終盤、佳境に入りますが

長友:
一試合一試合集中して今日みたいな試合をして優勝したいと思います。

ファンの熱さに驚き自身のツイッターに投稿

また長友選手は、ガラタサライのファンの熱さにも驚いた様子で、試合後、クラブハウスに集まった熱狂的なファンの姿を自身のツイッターに投稿している。
【長友選手のツイッター】
https://twitter.com/YutoNagatomo5/status/985610728479576065
https://twitter.com/YutoNagatomo5/status/985616874175156225

トルコではサッカーは国民的スポーツで、熱狂的なファンの多さでも有名だ。
実際の試合では、観客たちがここでは書けないような卑猥な用語を絶叫しながら応援しているほど。

サッカーと関係なく場外乱闘!?

さて、実はこの試合、サッカーとは関係のないところで場外乱闘が起きていた。

この2チームは、トルコの最大都市イスタンブールに本拠地を置いていて、いわゆるイスタンブールのチーム同士の一戦でもある。
(イスタンブールには他にもチームがあり、トルコ人が『イスタンブールダービー』と一般的に呼ぶのは、「ガラタサライ」と「ベシクタシュ」、「フェネルバフチェ」のいわゆる名門の3チーム同士の試合を指す。)

バシャクシェヒルは元々イスタンブール市のスポーツクラブのサッカー部として創設され、名前も、『イスタンブール・ブユクシェヒル・ベレディエスポル(Istanbul Büyükşehir Belediye spor:イスタンブール市役所スポーツクラブ)と呼ばれていた。

今でも「イスタンブールBB」と表記されることが多い。

現在は市からは分離し、バシャクシェヒル(チーム本拠地があるイスタンブール市内の地区の名前)というチーム名になり、近年は首位争いに加わる強豪となっている。

エルドアン大統領の発言が・・・

実はバシャクシェヒルを巡るエルドアン大統領の発言で今回の試合の場外乱闘が起きていたのだ。

エルドアン大統領が、試合前日にバシャクシェヒル地区で行った与党(AKP)の党大会での演説で、 バシャクシェヒルの観客席が埋まらないことに不満を述べながら「観客席が、バシャクシェヒルの若者たちによって満席にならないといけない。優勝争いを戦っているんだぞ!優勝争いを続けるチームの観客席は埋まらないといけない。さあ、急にサプライズを起こそう。バシャクシェヒルの試合で、観客席が空いていたらいけない。」と、AKP党員らに競技場に足を運ぶように呼びかけた。

実はバシャクシェヒルのオーナーは、与党AKPの党員であり、エルドアン大統領の姪の夫でもある。
こうした中でのエルドアン大統領のバシャクシェヒル応援演説はAKPの党員たちにバシャクシェヒルの応援に行くよう強制させたと捉えかねないものだったと批判が上がっているのだ。

この発言に対し、野党の女性党首メラル・アクシェネル氏はツイッターで「エルドアン大統領がAKPを支持する若者たちに、ガラタサライとの試合でバシャクシェヒルを応援するように求めたことはスポーツファンを深く悲しませた。若者たちが好きなチームを応援できるよう自由にしよう!サッカーの試合結果はサッカーグラウンドで決まるべきだ。サッカーチームのチームカラーが汚れないように...」 と批判。
https://twitter.com/meral_aksener/status/985562197433683969 

結局、試合にはバシャクシェヒルサポーター用の席が2500席設けられていたが、埋まったのは1500席程度だったようだ。
(トルコではアウェーチームサポーターのために一定席が設けられている。)

2-0でガラタサライの勝利で終わった試合後には、さらにメラル氏は 「ガラタサライ 2 × エルドアン 0」と皮肉ったツイートをしている。
https://twitter.com/meral_aksener/status/985579257769447424

政治家の場外乱闘が起きる背景

こうした政治家の場外乱闘が起きる背景には、トルコは来年、新しい憲法の下での初めての大統領選を控えているという現状がある。

サッカーだけでなく、いろんな場所で与野党の舌戦が繰り広げられているが、サッカーでは特に長友選手が感じたように熱狂的なファンが非常に多いため、
こうした政治家たちも熱く議論する場になりやすいのかもしれない。

さて、終盤に入ったトルコリーグの行方だが、現在、ガラタサライは首位であるものの、勝ち点3の中に4チームがならぶ大混戦となっている。

1:ガラタサライ 勝ち点60
2:ベシクタシュ 勝ち点59 (得失点差により2位)
3:バシャクシェヒル(イスタンブールBB) 勝ち点59
4:フェネルバフチェ 勝ち点57

リーグ戦残り5試合、当該4チーム同士の試合では、ガラタサライと2位ベシクタシュとのイスタンブールダービーが残っていて、ダービーを制したチームが大きく優勝に近づくとみられている。

また国内カップ戦も現在準決勝まで進んでいて、ガラタサライ、ベシクタシュ、フェネルバフチェが残っている。

それぞれのチームがこちらも制すればカップ・リーグと2冠達成をする可能性もある。

W杯に向け日本代表の動向にも注目が集まっているが、トルコのサッカーリーグも佳境を迎え、長友選手が所属するガラタサライの優勝にも期待が高まっている。

(FNNイスタンブール支局長 内橋徹記者)

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