日米イージス艦への脅威? 北朝鮮新型艇の正体

北朝鮮の新兵器は、ミサイルだけではない

カテゴリ:ワールド

  • 弾道ミサイル防衛の要、日米イージス艦を脅かす、金星3型対艦ミサイル
  • 金星3型ミサイル搭載と見られる新型ミサイル艇の画像
  • 新型ミサイル艇の不可思議

ミサイル防衛の要、イージス艦への脅威 「金星3」対艦ミサイル

南北首脳会談、米朝首脳会談が視野に入る中、注目される北朝鮮の核とミサイル。

日本の安全保障上の脅威となっている北朝鮮の弾道ミサイル。万が一発射された際に、弾道ミサイル迎撃手段として、日本防衛の第一線になるのが、日米のイージス艦だ。

だが、北朝鮮も、それに手をこまねいているわけではなさそうだ。
北朝鮮は、2015年に朝鮮中央通信などのメディアを通じ、新型の対艦ミサイルの試射の画像を発表、その存在を誇示した。

海面高度10メートルから15メートルという低空で標的にマッハ0.8で接近し、最終段階では、高度4メートルで標的の軍艦に激突する、ロシアのKh-35/3M-24艦対艦ミサイルにそっくりな北朝鮮の対艦ミサイルは「金星3/KN-19」(参照:下写真)と呼ばれる。金星3の射程は、130km程度とみられている。

謎のへサムB(仮称)高速ミサイル艇

低空で飛んでくるため、イージス艦のレーダーでも捕捉が難しいと予想される金星3型対艦ミサイルを北朝鮮は、どのように使うのか。

地上の移動式発射機に装填し、北朝鮮の沿岸防護に使用するほか、時速90㎞以上と推定され、ステルス性を重視したノンオ級ミサイル艇のような高速艇にも搭載していると伝えられている。

上に掲載したのは、FNN.jpのインターネット番組「能勢伸之の週刊安全保障」の視聴者、ぐう・たらおさんが、知人のSahurekaさんから入手した北朝鮮の新型ミサイル艇の画像。「へサムB」級と仮称されている。

この画像が本物ならば、へサムB(仮称)の船体は、レーダーに映りにくいステルス性を考慮したとみられる形状で、かつ、前部から空気を取り込み、その効果で船体を浮かせることで高速を狙う表面効果船(SES)の技術を投入している。

全長は40メートル程度、幅13~14メートルとみられるへサムB(仮称)だが、前甲板には、76㎜砲用とみられる大きな砲塔があり、後部には14.5㎜ガトリング砲(高性能機関砲)が二門。小型の対空ミサイルの他、船体後部に金星3型ミサイルの発射装置とみられるものがあるという。

へサムB(仮称)には、ミサイル誘導用のレーダーがない!?

ならば、日本海で、右へ左へコースを代えながら、高速で、ステルス性のあるミサイル艇から、日米のイージス艦に向かって、極端な低空を飛翔する金星3型対艦ミサイルが放たれたら、どうなるのか。

弾道ミサイル防衛の第一線が崩れてしまうことになりかねない。だが、この画像をツイートしてくれた、ぐう・たらおさんは、奇妙な点があると指摘する。
へサムB(仮称)には標的を見つけ、対艦ミサイルを誘導する火器管制レーダーが見当たらない、というのだ。

金星3対艦ミサイルは、最終段階でこそ、内蔵されたレーダーで、標的を捕捉し、突入するとみられるが、それまでは、慣性航法なので、ミサイルに目標位置を入力する必要がある。火器管制レーダーがなければ、標的の相対位置を捕捉するのは難しいだろう。

謎だらけのへサムB(仮称)だが、北朝鮮は、弾道ミサイルと並行して、今後も金星3型対艦ミサイルを装備する兵器の存在を誇示し続けるつもりかもしれない。


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