雨でもないのになぜ山崩れ?地すべり学会の元会長が語る“原因”

11日現在、女性5人の安否は不明のまま、懸命な捜索活動が続く

  • 大分県中津市耶馬渓町で11日、4世帯を巻き込んだ山崩れが起きた 
  • 山崩れの前日に雨は降っていなかった
  • 原因は“地下水による風化”の可能性

大分で4世帯を巻き込んだ山崩れ

山に隣接するように住宅が立ち並んでいた、大分県中津市耶馬渓町。
11日午前4時前、「裏山が崩落して数軒の家が埋まっている」と消防に通報があった。現場は山肌が大きくえぐれ、崩れ落ちた土砂と岩が無残に広がっている。

高さ100m、幅200mに及ぶ今回の土砂災害により、4世帯が巻き込まれ、18時現在、男性1人の死亡を確認、女性5人の安否は依然、不明のままとなっており、自衛隊や地元警察による懸命な捜索が続いている。

安否不明になっている一人、岩渕めぐみさんの祖父は「早く見つかってほしい。あれだけ高い所から土砂崩れが起きた。雨が降らないのにあれが抜けたのは一番不思議」と、インタビューに答えている。

現場は土砂災害特別警戒区域に指定されていたが、確かに前日は雨も降っていなかったという。
それではなぜ、今回の山崩れは起きたのだろうか。日本地すべり学会、元会長の古谷尊彦さんに聞いてみた。

山崩れの原因は“地下水による風化”の可能性

ーーこの画像から分かることはありますか?

全体に土砂がすべり落ちたという印象を持っています。一つは、樹木が後ろ側に倒れている。下に深くすべり面がある。そのために前側が崩れる形で、一挙に土砂が落ちてきている。それからもう一つは、中心に水の跡があって、これが主原因だと思うんですけど、土石流に近いような形で落ちてきている。

ーー水の跡というのは、川ではないですよね?

はい、地下水です。

ーー地下水となると雨の影響が考えられると思うんですが、このあたりではまとまった雨が降っていなかった。しかも雪の少ない地域。では、なぜ起きてしまったでしょうか?

それで研究者の人たちは頭を抱えているだろうと思います。一つ考えられるのは、後ろ側のところに割とフラットな地形がありまして、それを作っているのが、溶結凝灰岩だと思うんです。耶馬渓の地形をつくっているやつですね。あれが縦に割れ目が入ったりして、そういうところから浸透してきている地下水が、下の地層との間で集中して出てくる。それが山崩れを起こしたと思うんですね。

ーーつまり今回、何があったというよりは、長い間にいろいろな要因で、地形が変わっていったという可能性が?

震度3や4くらいの地震があったりしてますから、振動して地層の隙間ができたりして、地下水が普段から供給されて、その間は風化が進行する。水は溶媒ですし、温度を持ち込みますから、温度と圧力の関係で科学的な風化は進行していきます。

専門家も頭を悩ませるという今回の山崩れの原因だが、古谷さんは、どの山でも起こりうる崩落だと語った。

(「プライムニュース イブニング」4月11日放送分より)

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