18トリソミーの子どもたち・写真集出版 ー出会えた奇跡をありがとうー

テレビ新広島
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  • クラウドファンディングで実現した一冊の写真集
  • 「18トリソミー」という先天性疾患の子供たちを支援する企画
  • “限られた時間”を共に過ごす家族の形 

3月のある日、新幹線の多目的室を予約して広島から東京へ向かう一組の家族がいました。
植野雅晴さん・真理さん夫婦と愛娘のえれなちゃん6歳。

えれなちゃんは「18トリソミー」です。

18トリソミーは、18番目の染色体が1本多い先天性疾患で、運動や精神発達に遅れが現れ、9割は1年生きられないと言われています。

えれなちゃんの食事はミルクを1日に3回。
固形のものを食べることはできません。

えれなちゃんが18トリソミーだと分かったのは、妊娠10ヵ月、37週の時でした。

父親の植野雅晴さんは「頭が真っ白になるというのはこのことか。という感じだったよね」と、当時のことを振り返ります。

母親の真理さんは、「もう苦しくて悲しかったのは覚えています。苦しくて悲しすぎて逆にあまり覚えてないくらい」と涙ぐみます。


「本当、毎晩泣いててわかってから産まれてくるまでの1カ月間は、毎日仕事帰るたびに泣いてて。
つらいとか悲しいとかそういうのは分かるんですけど、でもそれを言うと、今から産まれて来ようとしている僕たちの子どもを、僕らが否定していることになるんじゃないかと…。
悲しいと思っちゃいけんとか、そういう思いもあったりとかして、すごい複雑でしたね。」と語る雅晴さん。

葛藤の末に…夫婦が巡り会ったのは、1930グラムの小さな赤ちゃんでした。

「産まれてきたときに複雑な思いが結構サーって吹き飛んだんです。
妻はこの子の顔を見たときに達成感で“やったー”って笑ってたんですけど、僕すんごい号泣してたんですよ。」 と雅晴さんは出産の時を思い出します。

「写真も毎日撮ってビデオも毎日撮って」と真理さん。

「写真やビデオを毎日撮り始めた元々のきっかけは、“明日が来るか分からない”というところからですよね。これが生まれた時の1番最初の写真だと思う」と雅晴さんは、最初の写真を見せてくれました。

親子は、えれなちゃんの成長の記録を写真や日記と共に一日、一日、時を積み重ねてきました。

今回、東京の明治記念館で行われた“18トリソミーの写真集”の出版記念パーティーには写真集に参加した家族を中心に全国から100家族250人が出席しました。

天国へ旅立った子供たちも会場にいます。
SNSを通じて知り合った友達。
同じ悩みを抱える家族との交流。

今回、写真集の出版は支援者を募るクラウドファンディングで企画されました。
集まったのは、目標額の120万円をはるかに上回る872万2千円。

18トリソミーの家族だけでなく応援したい人たちの思いが寄せられたのです。

写真集を企画したチーム18の岸本太一代表はこう語ります。

「なかなか長く生きることが難しいというその事実は変わらないとは思うんですけど、その中でも家族との大切な時間があって、“生きることってこんなに素晴らしいんだよ”とか、“命が生まれるということは奇跡なんだ”ということを伝えていかなかればいけないな」

こうしてできた写真集。

1ページ1ページにあるのは、それぞれの家族の幸せのかたちが綴られていました。

写真に添えられた両親からえれなちゃんへのメッセージ。

『僕たちを親にしてくれてありがとう。
どんなカタチになっても、これからもずっとずーっと愛しているよ』

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