あなたの“頭痛”大丈夫?「化学物質過敏症」の可能性があるその体調不良

カテゴリ:暮らし

  • 化学物質に反応して体に不調が出る病気
  • 「異常なし」で済まされてしまうケースが多い
  • 誰にでも発症する可能性があるが特効薬はない

頭痛、全身倦怠感、不眠、健忘、イライラなど何となく体の不調が続いている人はいないだろうか。

風邪や日々の疲れ、更年期障害の症状、あるいはただ単に加齢のせいかと軽く考えしまうこともあるこの症状、全て「化学物質過敏症」という病気の症状でもある。

誰もが発症する可能性があるというこの「化学物質過敏症」、一体どんな病気でどれぐらいの人が発症しているのか。

NPO法人化学物質過敏症支援センターの広田しのぶ事務局長に話を聞いた。

化学物質に反応して体に不調が出る病気

ーー「化学物質過敏症」って何?

化学物質を飲んだり、食べたり、吸ったり、触ったりすることで体に不調が出る病気です。
2009年10月には病名登録されています。


ーー日本での発症者数は?

全国的に統計をとったことがないので不明ですが、専門医の感覚で10人に1人が化学物質過敏症だと言われています。

「異常なし」で済まされてしまうケースが多い

ーー発症すると、どのような症状が出る?

頭痛、めまい、吐き気、記憶がなくなる、思考力の低下など症状が多岐にわたるのが化学物質過敏症の特徴です。

倦怠感なども強く仕事や学習能力がおちていくため、ますます、うつ状態が出て悪循環になります。

症状が多岐にわたるため、医師が化学物質過敏症と診断することが難しく、「異常なし」で済まされてしまうケースが多いと聞いています。

一般的な検査では異常が出ないため精神科にまわされることも多いです。

主な症状は、頭痛やめまい、吐き気などだけではなく、下の図のように、

目の前が暗く感じる・耳が敏感になる・口の中がただれる・トイレが近くなる・不整脈・血管炎・筋肉痛・手足の冷え・不妊症・不眠・貧血を起こしやすくなる

など人によって現れる症状が異なり、ありとあらゆる広範囲の症状が現れてしまう。

呼吸とともに吸い込む化学物質が80%を占める

ーー化学物質過敏症を引き起こす化学物質にはどんなものがある?

殺虫剤、防虫剤、芳香剤、合成洗剤、食品添加物、農薬がかかっている食べ物などですが、これはごく一部。

呼吸とともに吸い込む化学物質が、この病気を引き起こす化学物質全体の80%を占めています。

下の図のように発症者の90%以上に症状が出るものは、
・家庭用殺虫
・殺菌
・防虫剤類

80%以上に症状が出るものは、
・香水などの化粧用品類
・衣料用洗剤類
・防臭
・消臭
・芳香剤類
・タバコの煙
などごくごく普通に身の回りにあるものが化学物質過敏症を引き起こしてしまうのだ。

花粉症のように許容量があり、それを超えると発症

ーーいつから発症例が報告されている?

70年以上前からアメリカで報告されています。


ーー発症例が報告されるようになった背景は?

食品添加物や農薬などの化学物質が増えていることと、そうした化学物質を気にせずに生活している人が多いためです。

また、化学物質過敏症患者が増えていることや、発達障害の子どもの支援学級が足りないほど増加していることも影響しています。


ーー発症しやすい人の特徴は?

花粉症のように、人には化学物質の許容量がありまして、それを超えると発症します。
つまり、誰にでも発症する可能性があるわけです。

発症しやすい人は、子どもの頃から化学物質に触れている人や、果樹園やゴルフ場といった農薬が多いところに住んでいる人です。

ただ、親の喫煙、柔軟剤の使用や合成の臭い物質の氾濫で、呼吸とともに吸い込むこむため、今では汚染という意味では場所によっての差はあまりないと言われ出しています。


ーー治療法は?

今のところ特効薬がなく発症のメカニズムも分かっていません。

生活する中で合成化学物質を含まない日用品を使用し、安全な食品をとることが最大の予防で、呼吸とともに吸い込むものは要注意です。