新たなる米オスプレイ配備は、日本に役立つのか

米海兵隊MV-22と米空軍CV-22

カテゴリ:国内

  • 日本に到着したCV-22特殊作戦機
  • 米空軍CV-22は、夜間、コウモリのように障害物を避けて飛ぶ
  • 地元の懸念対応も日本のために使わせるのも政治の役目

MV-22とCV-22の共通点と違い

4月3日、在日米軍・防衛省・外務省が、一斉に「今夏に米空軍CV-22オスプレイ特殊作戦機配備」を発表。
その日、横浜のノースドックに着いた巨大な車両運搬船「グリーン・レイク」。
翌日、桟橋には、5機のCV-22Bオスプレイ特殊作戦機が主翼とプロップローターを畳んだ姿で運び出されたが、4日の日中に横田基地に飛行することはなかった。

滑走路がなくてもヘリコプターのように離発着し、空中で回転翼を前に倒し、固定翼機のように飛行できる。
機首の下に赤外線カメラを備えているのは、MV-22とCV-22の共通点。海兵隊のMV-22は、海空から、敵を叩いたうえで、空から、海兵隊員を送り込むのが役目。
沖縄への配備にあたっては、地元から安全性についての疑問が呈されている。

CV-22Bは、海兵隊の輸送機オスプレイと異なり、機首の左側から突き出す地形追随レーダーを備えて、夜間山岳地帯を地形に沿って低空で飛行することができる。
動物に例えれば、夜間、まるで、コウモリのように障害物を避けながら低く飛ぶことが可能な航空機だ。これによって、敵地に夜間進入し、特殊部隊を送り込み、また、回収するのが任務だ。

人が出入りする後部ドアには、強力な12.7㎜機関銃を装備できる。こうした能力によって、CV-22Bは、敵地で孤立した味方や民間人を救出するのに適した航空機ということもできるだろう。

CV-22横田配備の狙い

米軍は以前、2020年からとしていたCV-22の配備を早めた格好だが、5機のCV-22は、横田基地に到着後、「周辺地域で行われる訓練に出発するまでの短期間、横田基地にとどまり」この訓練の後、今夏、横田基地に配備されるという。

当面所属は、沖縄の嘉手納基地に本拠を置く、米空軍第353特殊作戦群の第一分遣隊になるという。第353特殊作戦群は、特殊作戦ヘリや、そうしたヘリに低空で空中を行う特殊作戦機からなっている。

CV-22は、親部隊にすでに、特殊作戦機に空中給油ができる機体があるので、作戦範囲は、かなり広範囲となるはずだ。また、米空軍では、今後「数年かけて、10機」配備にする計画で、CV-22が10機ともなれば、分遣隊ではなく、1個飛行隊になる見通し。

この周辺地域での訓練について、米軍筋は「日本国外で数か月にわたって、実施」としており、1日から韓国で始まった米韓演習「フォール・イーグル」参加も視野に入っているのかもしれない。

外務省は、CV-22の横田配備について「米国のアジア太平洋地域ヘのコミットメント及び即応態勢整備の観点から、日米同盟の抑止力・対処力を向上させ,日本の防衛及びアジア太平洋地域の安定に資する」との見解を出している。

CV-22Bの能力と、配備先、訓練先地元の不安。CV-22Bの配備について、理解を得るのも、その能力を日本のために使うよう米国を説得するのも日本の政治の役割となるのだろう。

能勢伸之の安全保障の他の記事