相次ぐ『所有者不明の土地』トラブル どうやって解決する?

【のぞき見!リアル とくキュウ】連鎖する所有者が分からない土地

とくダネ!
カテゴリ:国内

  • 町田市で近隣に迷惑をかける所有者不明の土地 
  • 所有権が分配された先でも所有者がわからない土地問題が
  • 今国会で出される予定の法案で解決を見出せるか

『所有者不明の土地』に迷惑を被る近隣住民

東京都町田市。所有者が分からない土地が、住民を悩ませている。
その家は一軒家で小さな庭があるが、雑草に覆われ荒れている。そして表札はなく、老朽化した危険な『空き家』になっていた。

近所の住人に聞くと、この家は強風で門扉が外れ道路に広がり、道をふさいだこともあるという。
「台風の時に門扉がザーッと道路の真ん中まで出てきてしまって。向こう側から来た車が、「危ないじゃないか!」って、私に文句を言ってきました。近隣は本当に困っています」と、迷惑が降りかかっている現状を吐露する。所有者の許可はないが、危険なため、紐で縛るなどして対応したそうだ。

長年放置され続けたこの家について、市役所にも相談したというが「所有者に言うしかない」との答えが。

この空き家について、町田市に聞くと「近隣住民の方からの要望は、所有者本人に通知書を送付している。行政としても、これ以上どうすれば所有者に動いてもらえるか、苦慮している」と行政も容易に手出しができないという現状があると言うことだ。

連鎖する『所有者不明の土地』

この土地の所有者を探すため、取材班が登記簿を入手すると、30年以上前に同姓の4人に対し、それぞれ4分の1ずつ所有権が分配されており、その内3人は「神奈川県相模原市」の住所が、もう1人は「東京都狛江市」の住所が記載されていた。

取材班はまず、3人の住所が記載されている相模原市へいったが、そこには全面にネットが張られ、その奥には骨組みだけになった屋根など、廃屋のような家があった。

隣の家のベランダから見せてもらうと、おびただしい量のゴミで、埋め尽くされていた。その住民に聞くと、ゴミの不法投棄も相次いだため、行政がネットを張ったという。
「はっきりとは分からないですが、二十数年前からこんな状態です。その頃は所有者がいたんですけど、ボヤ騒ぎがあり、少し経ったら知らないうちにいなくなってしまいました」と当時の状況を語る。

この状況を何とかして欲しいと考えるが、所有者が今いる場所が分からないため、どうにもならないそうだ。

ここもまた、所有者の行方が分からない、まさに『所有者不明の土地』が連鎖する実態に。

敷地外に竹が出るなど迷惑がかかっているので、1日でも早く改善して欲しいと町内会も行政に要望書を提出した。

相模原市によると「これまで所有者等に対し、文書、電話又は訪問により、対応を促しております。」ということだ。

そこで登記簿のもう1つの住所、狛江市を訪ねてみると。

ここには2階建ての建物が。近所の人の話では、どうやら人が住んでいるというが、取材陣の問いかけに返事はなく、この日は不在の様子。

そこで、日を改めて訪れると、所有者の1人だという人物に話を聞くことができた。


ーー空き家になった理由は?
こっちに引っ越したまま、町田の方は放置してしまった。

ーー近隣住民が迷惑しているという声については?
何とかしなきゃと思っているが、市との話し合いが中断している。手紙は来ていたが、中身は見ていない。今後、解決を進めるべく、市と話し合っていきたい。


ようやく、たどりついた所有者。今後、解決に向け動いていくと話していた。

所有者不明の山が土砂崩れ

宮崎市でも所有者不明の土地のよって問題が起きている。

2016年の台風で、住宅の裏山が土砂崩れを起こした。住人が家に流れ込んだ土砂を撤去してもらおうと思い、所有者を調べてみると、この裏山は登記上、所有者が47人もいたという。
相続に相続が重なってしまい、ねずみ算的に所有者が増えてしまったようだ。

結局所有者の所在が確認しきれず、現在も土砂が撤去されないまま、工事のめども立たない状況だ。

国も動き、今国会で法案提出へ

全国で増え続ける「所有者不明の土地」に、ついに国も動きだし、現在行われている通常国会に、こうした土地を有効活用するための法案を提出する方針だ。

これまでは空き家や土地に関して、所有者全員の許諾を得ないと、国や行政が収容することができなかったが、この法案では、所有者全員ではなく、判明している所有者が了承すれば、自治体などが購入できる手続きの簡略化が可能で、法務局・地方法務局にいる登記官が、所有者不明土地の相続人を調査できるようにするものだ。

また、所有登記の義務化と、反対する人がいない場合、知事の裁定で公園などの公共事業に利用できるようにするというもので、所有者不明の土地の解決策になりそうだ。

法案が通っても課題は残る

小倉智昭:
この前の大寒波で一気に冷え込んだ時に、水道管が破裂する事例が相次いだじゃないですか。空き家の水道管の破裂が非常に多かったそうです。これをどう処置するのかは本当に困ったみたいですよ。

立川談笑:
中に入り込むことはできないですし、私有財産ですからね。

小倉智昭:
所有者不明の土地はやがて北海道の広さと同じくらいになるという話もありますね。

立川談笑:
一説には今の時点で九州と同じくらいあるという話です。

中江有里:
『所有者不明の土地』にはそれぞれの個別の理由があって、個々の所有者の方もきっとその土地をまかないきれない現状があると思います。それを行政に委ねたところで、行政側もやってますとは言いますが、実質的には何も動けていないんですよね。
今後は土地の使い方というのを町ぐるみで考えていくとか、柔軟な方法を考えていったほうがいいと思いますね。こういう事例はこれからどんどん増えて行きますよね。

安田洋祐:
今回の法案で一歩前進だとは思うんですが、利用価値が少なかったり、購入希望者がいないような土地が、今後どんどん増えて行きます。その土地を誰が負担して整理して行くのかというのが課題になりそうです。


(『とくダネ!』2月6日放送分より)

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