年金支給ミス 元入力担当者語るずさんな実態

日本年金機構が支給ミスは約14万9000人と発表

カテゴリ:国内

  • データ入力を委託されていたSAY企画が中国の業者に再委託
  • “0”か“8”か“6”か…不鮮明なデータを憶測で入力
  • 元入力担当者「ミスが起こる前兆がたくさんあった」

年金支給ミス約14万9000人分

日本年金機構から委託された業者がデータの入力ミスをしたことで、2月の年金が少なく支払われた問題。
26日、日本年金機構は、今回の問題で年金の支給ミスがあったのは全部で約14万9000人分に上るという新たな事実を発表した。その内訳は、多く支給された人が4万5000人分、少なく支給された人が10万4000人。

問題の発端は去年8月。
日本年金機構が情報処理会社SAY企画に約500万人分の個人情報入力を委託。しかし、SAY企画は契約で禁止されていたにもかかわらず、自分たちが請け負った個人情報のデータ入力を中国の業者に再委託。
その理由について、SAY企画 切田精一社長は「中国の会社は私自身が設立に関わっておりグループ会社のような認識だった」と語っている。
さらに、SAY企画が自分たちが行っていたデータ入力についても、約95万2000人分で入力ミスが発覚した。

実際に過少支給された女性を取材

巣鴨で取材した60代の女性も、2月の年金を少なく受給したひとりだった。
はがきが来て「何だろう?これは?」と思い、問い合わせたが「返事はできません」と言われたという。
結局、1カ月あたり3万円も少なく支給されていたそうだが不足分は戻ってきたという。

元入力担当者語るずさんな実態

SAY企画は、どのようにデータ入力を行っていたのか?
本来の契約上、データの入力は手書きの書類などを作業員が2人1組で目で見ながら入力。相互にずれがないか確認する決まりだった。

しかし、データの元入力担当者が、ずさんな入力の実態を明かした。
「手書き書類をデータ化すると、自動的に読み取れるものはデータで入る。直すというのが正しいかもしれない。」
実際には書類はスキャナーで読み取っていたため、ここで読み取りミスなども発生していたという。

さらに元担当者によると、誤変換や不鮮明なデ-タを手作業で入力するなかでミスが重なったとみられる。
  「“0”か“8”か“6”か分からないものが多い。隣の人と確認して0に見えるから  『0でいいよね?』といった入力も正直していました。やっぱりなという気持ちもあります。今思い返すと様々なこのようなミスが起こる前兆がたくさんあるなと」

年金が実際より少なかったり多かったりという背景には、こういった数字の誤った認識も影響しているかもしれない。

一つの業者で500万件は物理的に無理

今後、同じような問題が発生しないための再発防止策について、年金評論家の田中章二氏は、
「常識で考えて500万件ありますよね。キャパが大きいのに、再委託は禁止になってますから物理的に無理ですね。二等分に分けて2つの業者に渡すとか、もっといろんなやり方があったと思います。これから入札の場合には、途中の経過は、進捗状況はどうなっているか、こういう検査とかこれから必要じゃないですかね。日本年金機構の考え方一つです」と語る。

また田中氏によると、日本年金機構の入札は最も安い値をつけた企業が競り落とす「競り下げ方式」で、もし入札したとしても人件費などを考えると採算をとるのが難しい企業もあるということだ。

(「めざましテレビ」3月27日放送分より)

めざましテレビの他の記事