トランプ暴露本はウソと思えない。元外交官が感じたこと

『Fire And Fury(炎と怒り)』

カテゴリ:ワールド

  • トランプ政権の暴露本で全米騒然
  • どこで誰と誰があった、など細かい描写
  • トランプ氏が無視しないのも真実があるから?

トランプ政権の内情を暴くノンフィクション『Fire And Fury(炎と怒り)』。
前首席戦略官であるスティーブ・バノン氏の暴露発言で、アメリカをはじめ世界各国で話題となり、トランプ大統領は出版の差し止めを求めている。

最近、この本を手に入れた元外交官の宮家邦彦氏は、すべてが嘘だとは思えないと言う。
(聞き手:ニッポン放送『あさラジ!』高嶋ひでたけ)

『Fire And Fury(炎と怒り)』に書かれていること

高嶋:
『Fire And Fury(炎と怒り)』。トランプ大統領について書かれた話題の本ですね。

宮家:
友人が飛行場を出るときに、最後にひとつだけ見つけて買って来てくれたのです。本当にありがたい。

高嶋:
どうですか?

宮家:
まあね、トランプさんは不愉快だと思いますよ。罵詈雑言が書いてあるわけだから。

高嶋:
そんなに書いてあります?

宮家:
書いてあります最初から。マイケル・ウォルフという著者は、そんな超大物ではないです。毀誉褒貶のある人です。トラブルも前に起こしています。だけども、全体として三百ページ以上もあるのですが、全編全部が嘘だと思えないのですよ。最初の10ページしか読んでませんが、かなり細かいところで、どこどこで誰と会ったときにこういう話があったというようなことをまとめたものです。

インタビューですからね、そうやって書いてあるわけだから、これ一個一個を調べていったら、少しは間違いあるかもしれないけれど、全体として、結論が大きく変わるようにはちょっと思えないな、と思いながら読んでいます。

高嶋:
取材したのはバノンさんを含めて200人って言いましたっけ。

宮家:
200とはざくっとした数字ですが。

高嶋:
トランプさんがあれだけ反応するのですね。

宮家:
本当にフェイクブックで、どうでもいいんだったら、無視すればいいんですよ。無視できないってことは、けっこう正しいことが書いてあるんじゃないのと思ってしましますよね。

高嶋:
玉石混交みたいなものですか?

宮家:
石よりも玉のほうが多いと思いますよ。だってそうでしょう。200人かどうかは別として、ずっと一緒にいたわけですから。下っ端のほうでべらべら喋るわけです。「どう? お宅、本当のところどうなのよ」と言われたら、「いや、ウチのもさあ、本当にさあ」って言うのがあるに決まっているわけですよ。それを丹念に集めたら、全体として、何かおかしくないですか? というのがわかってきて、それでおそらく、そういう余談があって書いたのかもしれないけれども。

高嶋:
図星突かれているので大統領はイラッとしているわけですね。

宮家:
だから名誉棄損だとか、差し止めだとか言っていますが、そんなことできるわけないじゃないですか。自由の国アメリカで。

高嶋:
そうですね。ということは、相当後になると思いますが、いずれ日本語訳も出てきますか?

宮家:
そうでしょうね。最大の問題は、トランプさんが大統領の資質があるのかどうなのかという議論になっているけれども、いま一番大事なことは、ロシアがアメリカの大統領選挙に介入したのではないかというロシアゲートの関係で、トランプ陣営と共謀があったのではないかということです。その議論については特別検察官が捜査をしているわけですね。その捜査の内容にかなり影響を与えるか。

もしくは、捜査官からすれば、ここに書かれていることは皆知っている話かもしれないけれども、例えば、トランプタワーのどこどこでああいう密議があって、その上の階にトランプのオフィスがあるのだからトランプが知らないわけないじゃないかと、こういう議論が国民の間で広がることは、トランプさんにとって決して愉快なことではないと思います。

高嶋:
で、モラー特別検察官からの聴取に対してはできればやめたいというニュアンスですよね。

それからあと、文書に残すなとか言っているじゃないですか。ということは、残されるとマズいからと思いますよね。じゃあ、本も一緒ですね。過剰反応するのには、その裏側に真実が込められているからと。

宮家:
という可能性が高いと私は思いますけど。どうでしょうかね。

高嶋:
読み終わったらまた教えて下さい。

宮家:
わかりました。


(1/12 FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』より)
http://www.1242.com/lf/articles/program/asa/

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