AI技術を兵器に導入。中国で軍事費が18兆4000億円に

AIで変わる戦闘の形

カテゴリ:ワールド

  • 中国が力を入れる兵器へのAI機能の導入
  • AIの判断力と倫理問題
  • ハッキング技術を持つAIも導入されている情報も

中国の全国人民代表大会で発表された2018年度の国防予算が、前年比8.1%増で約18兆4000億円にも上ることがわかった。

その中国が特に力を入れているのは、兵器へのAI機能の導入だという。

このAI技術が兵器に導入されることから生じる問題と戦闘の変化とはどのようなものなのだろうか。

中国事情に詳しい産経新聞論説委員の山本秀也氏に聞いた。

(聞き手:ニッポン放送『あさラジ!』高嶋ひでたけ)

国防費が増加の中国が注力するAI

高嶋:
中国の国防予算が前年比8.1%増で約18兆4000億円ということです。

AIを使う兵器が非常に進化してそうですが、中国も力を入れているのですか?

山本:
元々中国の軍隊は人海戦術が基本的な考え方でした。

高橋:
人民はいくらでもいますからね。

山本:
湧いてくるように兵隊が出て来る、というのが中国の軍隊のイメージでしたが、それが多分変わって来るだろうなというところですね。
習近平政権になって、兵隊を30万人減らすと言ったのが、今回できたという宣言がありましたが、まだ多いことは多い。

その一方で先端的な研究もやっているのが、このAI兵器の部分ですね。

AI制御のドローンが関心の対象ですね。119機の小型機なので、これをドローンと言って良いのかわかりませんが、これを一斉に飛ばして綺麗に編隊コントロールするという技術の検証をやっています。

或いはAI制御の水中ドローン。

機雷のようなものに強力な爆弾をつけて相手の軍港の海底に沈めてしまって、そのスイッチを押すのが人かAIかっていうのはまた違うわけですけど、軍艦の進隻状況をみて、ここと思ったタイミングで爆発させてしまう。

そういうことも視野に入れて開発しています。最終的には核というものを想定するのでしょう。

高嶋:
共通しているのは、人の命を守るはずのAIが、勝手に行って悪いのを見つけ出して、勝手に攻撃する、ということですね。

AIの判断力と倫理問題

山本:
今世界の研究の分野で、そこがひとつ倫理的にハードルになってるわけです。

いろいろなコードセンサーで敵が侵入してきた、民間人じゃなくて明らかに武器を持っている相手を判断するというものは、韓国の非武装地帯なんかでもこういうシステムはあるわけですが、最終的に判断して攻撃コマンドを出すのは後方にいる担当の軍人です。

それから遠隔操作でイラクを攻撃しているアメリカのドローン兵器。

これも映像を見て、これは間違いなく武装勢力がいるということで攻撃するのですが、このまま行くとAIが勝手に判断をして、絶妙な攻撃のタイミングがどこかというのを判断してしまう。

この辺りについて、倫理的な壁がどうなのかということが問われていますが、中国はそこら辺全部ひっくるめて研究をやっていますね。

高嶋:
無人機でアメリカ国内の秘密の基地から、イランとかイラクの上空を映像を見ながら操縦して、爆弾を落とすということをやっている。

山本:
秘密基地でもなくてフロリダで公然とやっています。

高嶋:
そのドローン兵器の攻撃で爆弾を落として、時計見て12時になると「飯食いに行こうか」と。あれはびっくりしましたね。

AIのさらなる使用用途と導入済みの技術

山本:
あれはやっている人にも心理的に負担になって、心の変調をきたす人がいるというのも聞いていますが、それをAIでやってしまおうという時代が目の前にぶら下がっているわけです。

とにかく幅広くやっていますし、もっと怖いのはAIがハッキングの技術を使ったものが既に導入されているという情報。

これなんていかにもAIは得意ですよね、24時間働き続けてシステムの穴を見つける。

それから国内の治安対策。

通りを撮っている防犯カメラですが、実は多焦点カメラが付いていて、通ってる人間の顔の識別を瞬時にやってしまう。そういうことも既にやってますから。

高嶋:
顔認証で、犯人なんかすぐわかるという。

山本:
本当の犯罪者ならともかく、考え方が違う人間も捕まえてしまうというのもここでやるわけですから。

高嶋:
なんだか恐ろしい要素を持っていることは事実ですね。

山本:
そうなんです。
ですがAI研究は外せませんからね。

高嶋:
中国は、世界的に見るとかなり進んでいると判断して良いのですか?

山本:
先端分野なので、アメリカとの差が非常に少ないところだと思っています。

集中的に研究をしています。


(3月8日 FM93AM1242ニッポン放送『高嶋ひでたけのあさラジ!』より)
http://www.1242.com/lf/articles/program/asa/

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