イギリスで起きたチキンの混乱。カーネル・サンダースが苦闘中

KFCのサプライチェーントラブルで店舗閉鎖続く<br><フジテレビ・二関吉郎解説委員>

カテゴリ:話題

  • 英国とアイルランドで270店舗が閉鎖中(22日現在)
  • 配送業務をBidvest LogisticsからDHLに変更したことが原因
  • サプライチェーンの変更は十分な移行期間が必要

チキンが届かないケンチキ(KFC)の悲鳴



“THE COLONEL IS WORKING ON IT...”
「カーネルが作業中です」

イギリスのKFCのホームページで店舗検索をすると上記の表示が出てくる。



何故かと言えば、英・ガーディアン紙の報道によると、日本時間22日朝時点で、イギリスとアイルランドで合わせておよそ270店舗が閉鎖中だからである。

一時は、640店舗余りが閉鎖に追い込まれたこのトラブルの原因はサプライチェーンの混乱。

有体に言えば、チキンが店舗に届かなかったのである。

当たり前のことだが、KFCの店舗にチキンが届かなければ営業はできない。

閉鎖はやむを得ないということになる。

配送業者の変更が大きな混乱を招いた

事の発端は英国のKFCがチキンの配送を委託していた業者を変えたこと。

それまではBidvest Logisticsという食品配送専門業者に任せていた配送を、今月14日からDHLに変えたところ今回の混乱が発生、関係者は必死に修復を図っているが、全店舗の営業再開までには今週一杯は掛かりそうだという。

この結果、特にフライドチキンを好む人が多いアラブ系やジャマイカ系の住民を中心に不満も爆発、この混乱とは関係の無い警察や地方自治体にも苦情が殺到し、混乱に拍車を掛けている。

移民が多いロンドンのタワー・ハムレット地区警察などはツイッターで「KFCクライシスのことで我々にコンタクトをするのは止めてください。あなたの好きな食べ物をあなたの好きな食べ物屋さんが提供していないという問題は警察の管轄ではありません」と悲鳴を上げたほどである。

他人事だからだが、ちょっと笑える。

チキンの配送の混乱の原因は、DHLのコンピューターシステムの不具合という報道があるが、まだはっきりしない。

ガーディアン紙は、DHLがKFCチキン配送の為に作った巨大冷蔵倉庫の登録がきちんとされていなかったと報道しているが、配送の混乱との関係は良くわからない。

それよりも、これまでの配送業者Bidvest Logisticsが英全土に設けていたKFCチキンの配送拠点が6箇所だったのに対し、DHLは1箇所に集約したという方が、今回の混乱の元になった可能性は高いのかもしれない。

サプライチェーン変更には十分は移行期間を

GMBという労働組合関係者は、配送業者の切り替えで大きな混乱が起きると去年10月にKFCに警告したというが、配送コストの削減という魅力には勝てなかったのだろうと想像する。

気の毒なのは、フランチャイズ店の経営者や店員である。

チキンが届かなければ営業できない。営業できなければ売り上げはゼロである。

 KFCに限らず、現代のサプライチェーンは大変複雑巧妙にできている。

東京でもちょっと雪が積もると交通網が混乱し、配送のトラックがコンビニに商品を届けられず、品切れになったりする。

このサプライチェーンをいじる際には、十分な移行期間が必要という事を、この英国KFCの混乱は教えてくれているように思う。

余談になるが、英国のケンフラの味は日本と少し異なる。

かなり重い気がする。

地域ごとに消費者の好む味付けにしている為だろうが、密かなKFCファンである筆者は、この混乱が日本で起きたのでは無いことに、これまた密かに安堵している。