ロシア人元スパイ父娘襲撃に使われたのは第4世代神経ガス

イギリス・メイ首相がロシア政府に説明求める <フジテレビ・二関吉郎解説委員>

カテゴリ:話題

  • 襲撃に使われたのは第4世代神経ガス “ノビチョク”か
  • 英・メイ首相はロシアが関わった可能性「極めて高い」
  • ロシア外務省は「サーカスのショー」と早速切り捨て

使われたのは第4世代の神経ガス “ノビチョク”か

 元スパイ父娘襲撃に使われたのはノビチョクと呼ばれる神経ガスだったらしい。
1970年代から80年代にソビエトが開発した新しい第4世代の化学兵器の一種で、サリンでもVXでもなかったという。

イギリスのメイ首相が12日、下院の演壇に立ちこれを明らかにした。

その上でメイ首相は、事件にロシアが関わった可能性が「極めて高い」と述べて、ロシア政府に対して14日水曜日午前0時までに信頼の置ける反応をするよう求めた。

「ロシア政府が直接手を下したか、何者かの手に落ちるのを許した」

 誰がどのように使用したのか等詳細には言及しなかったが、メイ首相は「ロシア政府が直接手を下したか、この破滅的な神経剤のコントロールを怠り、何者かの手に落ちるのを許したのである」と断じている。

これに対してロシア外務省のスポークスマンは「サーカスのショー」とメイ首相の要求を早速切り捨てたが、イギリス政府が納得する説明をロシア政府が今後もしない場合、ロシア人外交官のイギリスからの追放や事件に関わった可能性のあるロシア人の英国内資産の凍結などに事態はエスカレートすると見られている。

「知らぬ存ぜず」を通すロシアを 安易に信じる人間はいない

事件は4日午後、イギリス南部の町、ソールズベリーで、ロシア人の元スパイ、セルゲイ・スクリパル氏と娘のユリアさんの2人が、ショッピングセンター近くのベンチで昏倒しているのが見つかったもので、父娘は依然重体である。

その後の捜査で、何者かが毒ガスの一種、神経ガス(nerve agent)を使って2人を襲撃したものと発表されていたが、この日のメイ演説で、使われた神経ガスがサリンでもVXでも無い、旧ソビエト製の極めて特異なものであることが明らかになったということになる。

事件にロシア政府の関与を示す明白で十分な量の証拠が提示されたとは未だ言えないが、使われた毒ガスの特異性に鑑みると、ロシア政府が仮に“知らぬ存ぜず”を貫き通しても、それを安易に信じる人間はいないということになる。

 今後明らかにされるであろう、事件の全容と今後の外交展開に注目である。