習近平総書記の”金正恩化”はどこまで進むか

絶対権力者の苗床の危うさ フジテレビ風間晋解説委員の解説

カテゴリ:ワールド

  • 中国共産党と朝鮮労働党「形に現れる組織文化」は同じ
  • 権力固めに走る習総書記の姿は金委員長に重なる
  • 相手を否定することはブーメランで自らを否定することに

映像から読み解く「組織文化の同一性」

18日に中国共産党大会が始まった。最大の注目点は、党の指導部人事や様々な権威付けを通じて、習総書記の権力の絶対化がどこまで実現するかだ。
その意味で、とても興味深い映像(記事最後に映像あり)をご紹介しよう。

まず、10月7日にピョンヤンで開催された、北朝鮮の朝鮮労働党中央委員会第7期第2回総会の映像だ。
金正恩委員長が賛意を示す挙手をすると、会場の全員も挙手をする。

次は、その1週間後に北京で開催された、中国共産党中央委員会第18期第7回全体会議、7中全会の映像だ。
習総書記が挙手をすると会場の全員が従う。
全く同じことをやっている。

よく「組織文化は形に現れる」と言う。この映像の同一性は正に、中国共産党と朝鮮労働党の一党独裁体制は根っこは同じであることを示している。さらに、習近平氏と金正恩氏はそれぞれ、同じ政治文化、統治機構によって走る車を運転していることも見て取れる。

「北にならえ」?! 習総書記の危うさと怪しさ

この類似性は、習総書記の権力基盤を強化する取り組みが、金委員長のそれと本質的に変わらないことからも分かる。
党の指導部に自らの息がかかった者を引き上げて支配を強化する。
軍の掌握も重視し、軍人人事に手を突っ込む。
自身を脅かしかねない勢力は粛清という手段であれ、腐敗撲滅という形であれ、断固排除する。
ネット上でも現実世界でも批判は即座に封殺する。
官制メディアなどを総動員し、自身の傑出した姿のプロパガンダを徹底する。
などなど、やり方の巧拙はあってもやっていることは同じだ。

習近平総書記が絶対権力者へと突き進むのであれば、金正恩委員長との違いはトップの座を世襲したかどうかだけになってしまう。

北朝鮮の中国けん制術とは

ある意味、金氏は父親の時代よりも党を重視することによって、中国と同じ統治をやっているのだから中国からとやかく批判されるいわれはない!という立場を強めたともいえる。
北朝鮮の核とミサイルの開発も、1960年代に毛沢東主席が当時のソ連の反対を押し切って核戦力の独自開発を進め、それが結果的に70年代の米中和解につながったことを手本にしている面もある。

中国共産党大会に当たって、朝鮮労働党中央委員会名で祝電が出されたことも、そんな類似点のリマインダーのように思える。

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