FBIにトランプ失墜図る「秘密結社」は実在? 機密メモの公開が裏付け

【木村太郎のNon Fake News#28】

カテゴリ:ワールド

  • 米政界を揺さぶる「機密メモ」が、怪しげな情報を使い回すFBIと断じる
  • メモではFBIの捜査手法の疑惑を指摘
  • メモの内容を検証すると、FBIや司法省の中の「秘密結社」の存在が明らかに

米政界を揺さぶる「機密メモ」

FBI本部

泣く子も黙る米国の連邦捜査局(FBI)内部に、トランプ大統領の失墜を図る「秘密結社」があるというのは本当なのかもしれない。

1月25日アップしたコラムで紹介したが、今米政界を揺さぶっている「機密メモ」がその存在を裏付ける形になったからだ。(1月25日コラム『トランプ失墜を図る「秘密結社」?FBIのメール消失でロシア疑惑捜査の正当性に疑問』

下院情報特別委員会のヌネス委員長(共和党)がまとめたメモは、トランプ大統領の承認を得て2日公表された。その内容はFBIがトランプ選対の外交問題顧問だったカーター・ページ氏を電話盗聴などで監視するために、外国情報監視法(FISA)に基づく許可を申請した経緯を明らかにしたものだが、その際に怪しげな情報を手を変え品を変えて「使い回し」をしてもっともらしく仕立てていたと断じた。

ヤフー・ニュースの記事がスパイ捜査の根拠?

公開された機密メモ

メモによれば、FBIは英国の元諜報員スティール氏がまとめた「トランプ疑惑」文書と、2016年9月のヤフー・ニュースの記事を根拠にページ氏がロシアのスパイであるという疑いを指摘していた。

その「トランプ疑惑」文書についてメモは、FBIのコミー前長官が「下品で根拠がない」と決めつけたとも記している。   

またヤフー・ニュースの記事は、FBIがページ氏がロシア政府の意向を受けているのではないかと疑念を抱いていることや、大統領選中の2016年7月にページ氏がモスクワへ飛びプーチン大統領の側近達と会っていたと伝えていたが、ページ氏は当時ロシアへは行っていないとヤフー・ニュースを訴えている。 

このメモが公表されると、ヤフー・ニュースの記事を書いたイシコフ記者は「唖然とした」と自らのポッドキャストに書いた。

自分の記事がスパイ捜査の根拠にされただけでなく、自らの情報源もスティール氏でFBIはそれを知っていたはずなのに、記事を「トランプ疑惑」とは別の情報のように扱ったことが不可解だとしていた。

イシコフ記者は、フュージョンGPSという調査会社の仲介でスティール氏にインタビューをして記事にしたが、この調査会社こそヒラリー・クリントン選対関係者から資金提供を受けてスティール氏を雇い「トランプ疑惑」文書を作成したことで知られる。

つまり、FBIはクリントン選対の資金で集めた情報をトランプ選対に対する調査の根拠としただけでなく、同じ情報を元にしたヤフー・ニュースの記事をその補強材料として利用したわけで、その過程で多くのFBIや司法省の幹部が関わっていたとメモは指摘している。

メモ公開の前日にFBIナンバー2が辞任

辞任したマケイブ副長官

このメモの公開が委員会で議決される前日、FBIのマケイブ副長官が辞任した。理由は明らかにされないが、メモの中で同副長官はトランプ政権に「保険」をかけるための会合に出席していたと指摘されていた。

この「保険」という言葉、先のコラムで触れたようにトランプ大統領に対する妨害を意味するもので、そのために「秘密結社」の会合を開くことも別のFBI幹部のメールで明らかにされたいた。

今回のメモ公開は、ムラー特別検察官の「ロシア疑惑」捜査を妨害するものと米国の主要マスコミは批判しているが、その内容を検証すると、逆にFBIや司法省の中の「秘密結社」のトランプ潰し工作とも思えるもう一つの構図が浮かび上がってくるのだが…。

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