「炭酸水は健康にいい」は本当か? 疲労回復やダイエットは疑問

炭酸水市場は急成長

  • 炭酸水の市場が伸びている
  • ダイエットや疲労回復については疑問
  • 炭酸は「スッキリ」がよい効果を生む

炭酸水「冬の陣」が到来


炭酸飲料の市場はいま伸び盛りだ。

2月だけを見ても、7日にコカ・コーラ社が強い炭酸の「THE TANSAN」を発表。20日にはサントリーが、「デカビタC」ブランド初のゼロカロリータイプ「デカビタC ゼロ」が、26日にはダイドードリンコからナタデココとゼリーの入った炭酸ドリンク「ぷるッシュ!! ゼリー×スパークリング」シリーズ4種類が発売された。

27日には、コーヒーチェーンのスターバックスも炭酸市場に参入。コーヒーチェリー由来のカフェインと、ミネラルが含まれるココナッツ果汁が配合されているのが特徴の新商品を発売した。

炭酸市場の中でも伸びているのが、スターバックスが出したような「無糖の炭酸水」だ。

その生産量はこの10年で約7倍に増え、20万6000キロリットルに達している。

そのため、各社ともに力を入れている。強炭酸ウィルキンソンの販売数量を10年で10倍に伸ばしているアサヒ飲料は、神戸の工場へ20億円の投資を決め、さらなる炭酸水の生産増強を図るとしている。

炭酸水の人気は、強い刺激や爽快感だけでなく、健康志向の高まりが、注目される大きな理由となっている。

ただ、インターネット上には「飲めばダイエットになる」「疲労回復する」といった情報が溢れているが、本当のところはどうなのだろうか?

ホウドウキョクコメンテーターの医師で消化器が専門の高山哲朗さんに話を聞いた。

ダイエットも疲労回復も効果なし?


インターネット上では『炭酸水ダイエット』などというものが散見される。理由として「血液の中に炭酸ガスが入ることで酸欠状態になり、走っているのと同じ状態になって、結果としてエネルギー消費につながりダイエットになる」といったものが書かれていたりする。 

今回の取材を受けるにあたり、論文などをいくつか当たってみたという高山医師は、この説について「相当無理がある」と一蹴した。

「炭酸水で血管が広がって血行が良くなるっていうのは、基礎研究のレベルでは確かにあるんです。ネズミの腹膜に炭酸水をかけると、腹膜の血管が広がるとか血流速度が上がるとか。

しかし、飲んだことでどうなるかという臨床研究はあまりやられてないですよね。そもそも何か食べて痩せるということはないんです。食べて痩せたら消化管の存在を否定することになりますから」

レストランなどで食前酒として炭酸入りのアルコールが出ることからわかるように、普通は炭酸が入ったものは食欲を増す効果があると言い、「炭酸を飲めば、お腹が張って痩せる」という説についても「それは炭酸の効果ではなく、食べないからでしょう、という話です」と笑いながら話した。

「炭酸水を飲めば疲労回復につながる」という説についても、ダイエットと同じく首を傾げた。

様々なサイトを見ると「炭酸水素イオンが、疲労物質である乳酸の水素イオンを取り込み、結果的に乳酸を減少させる」などと書かれているが、そもそも乳酸への認識が間違っているという。

「それは全部嘘です。そもそも乳酸自体が疲労物質だと昔は言われていましたけど、勘違いだったということがわかっています。いい加減な話ですね。

ただ、血行は多少良くなる、心拍数も上がる。それは口に含んだ時の刺激が原因だ、という論文もあります。疲労を回復したいのなら、睡眠をとりましょう」

それでは、炭酸水を飲むメリットはどんなところにあるのだろうか?

「口の中がさっぱりする、清涼感じゃないですかね。論文の中には、口の中がスッキリして、モノを飲み込む障害が改善するっていう話もありました。刺激が入ってスッキリしますよっていうのはいい効果だと思います。

もともと炭酸飲料はかなり甘いものが多かったので、今売られているような炭酸水はいいんじゃないかなと思います」

確かにスターバックスから発売された炭酸水も「気分転換」「スッキリ」「リフレッシュ」を利点に掲げ、オフィスワーカーなど「どんな時にも前向きな気分で気持ちよく、自分らしく過ごしたい人」にぜひ飲んでほしいとしている。

炭酸水市場はこれからますます活性化していきそうだ。