元保育施設経営者に有罪判決 女児食塩中毒死事件 裁判

岩手・盛岡市の保育施設で、当時1歳の女の子に食塩を混ぜた液体を飲ませ、死亡させた事件の裁判で、盛岡地方裁判所は、元経営者の女に対し、求刑の罰金50万円を上回る禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。

判決が求刑を上回るのは異例のこと。

判決を受けたのは、盛岡市の元保育施設経営者・吉田直子被告(35)。

判決などによると、吉田被告は2015年8月、預かり保育中だった当時1歳の下坂彩心(あこ)ちゃんに、健康を害する量の食塩を含む液体を飲ませ死亡させた。

14日の判決公判で、盛岡地裁の中島経太裁判官は、「乳幼児に与える飲食物に塩を加えるのは普通ないことで、犯行は非常識極まりない」と指摘した。

そのうえで、「罰金刑を選択すべきでない」として、検察の求刑を上回る、禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡した。

求刑を上回る判決は、異例。

裁判に出廷して判決を聞いた遺族が会見した。

彩心ちゃんの父・下坂 亘さんは「裁判官がちゃんと僕らの意見を考慮してくれたのかな」と話した。

裁判では、吉田被告は涙ながらに謝罪をしたものの、与えた食塩の量などは、「わからない」を繰り返し、くわしい経緯は明らかにならなかった。

彩心ちゃんの父・下坂 亘さんは「ああいった場(裁判)では、一応ちゃんと謝罪しているという感じを見せている。実際はどうなのでしょう。真摯(しんし)に向き合ってはいないのではないかと感じます」と話した。

遺族は、吉田被告に対して民事裁判を起こしていて、引き続き、真相や責任を追及していく。

求刑を上回る判決が出たことについて、盛岡地検の吉武斉彦次席検事は、「当初の求刑については適切であったと考えている」とコメントしている。