小池都知事が不要不急の外出自粛を要請

新型コロナウイルスによる感染拡大が、国民の生活に大きく影響を及ぼしている中、新たな局面を迎えている。

1日で新たに40人以上の感染者を確認した東京都が25日に緊急の記者会見を開き、小池都知事が 今の状況を「感染爆発の重大局面」ととらえてほしいとした上で、「平日につきましては、できるだけ仕事は自宅で行っていただきたい。それから夜間の外出についても控えていただきたい。この週末でございますが、お急ぎでない外出は、ぜひとも控えていただくようにお願い申し上げます」と、外出自粛を都民に要請したのだ。

すると会見直後から、都内のスーパーでは、買いだめに走る人々の様子が見られ、一夜明けた26日、都内のスーパーでは、異例の入場規制が敷かれるなど、店の外には買い物客の長い列。そして、パスタや冷凍食品などの保存食などが、一気に売り場から消えてしまった。

都知事会見の翌日には多くの買い物客が訪れた
都知事会見の翌日には多くの買い物客が訪れた
この記事の画像(5枚)


さらに外出自粛要請の動きは、隣接する千葉、神奈川、埼玉などの各県にも広がっている。

農水省が“買いだめ”の自粛を新たに呼びかけ

そのような中、農水省が新たに「国民の皆様へ 食料品についてのお願い」と題した画像を公開した。同省ではすでに1度、「食料品は不足していません!」と呼びかけていたが、現在の状況を踏まえたより踏み込んだ内容となっている。

(参考記事:「食料品は不足していません!」「牛乳乳製品の消費にご協力を」農水省が新型コロナで国民にお願い

まず、「食料品は、十分な供給量を確保しているので、安心して、落ち着いた購買行動をお願いいたします」と現状を紹介。その上で、以下3点のポイントを呼びかけたのだ。

・食料品は必要な分だけ買うようにしましょう。
・過度な買いだめや買い急ぎはしないでください。
・転売目的の購入はしないでください。


さらには「食べきれずおいしくなくなったり、食品ロスにもなってしまいます」「転売目的の購入は望ましくない行為です」などと訴えている。

(画像:農林水産省)
(画像:農林水産省)

「外出自粛に伴う食料品の品薄状態への対応状況」も公開

合わせて農水省は、「東京都の外出自粛要請に伴う食料品の品薄状態への対応状況」も公開した。

まずは「食品小売・卸の対応」については、各協会のコメントを紹介。

「メーカー・卸からは増産等の対応をすると聞いている。物流の協力もいただき、お客様にご安心してお買い物をしていただけるよう、商品が届き次第ご提供したい」(日本チェーンストア協会)

「商品の供給につきましては、メーカー・卸から増産の体制を整えて対応すると聞いている。可能な限り食品の安定供給に努めてまいりたい」(日本スーパーマケット協会)

「メーカーはしっかり増産をすると聞いているので、小売からの注文に応じてしっかり供給していく」(日本加工食品卸協会)

買いだめのため、開店から15分で品薄になった
買いだめのため、開店から15分で品薄になった

「即席めん」や「冷凍食品」「パスタ」などの在庫は十分

続いて、気になる「即席めん」や「冷凍食品」などの製造メーカーの対応についても触れている。「即席めん」や「冷凍食品」、「パスタ」「レトルト食品」の在庫については「十分にある」ということだ。

なお、増産などについても以下のような対応をとっているという。

■即席めん:現在、平時の2〜3割増の増産体制。状況に応じてさらなる増産も可能。
■冷凍食品:現在、流通からの発注は伸びているものの、在庫で十分対応可能。
■パスタ:現在、平時の1〜2割増の増産体制。
■レトルト食品:現在、平時の5割増の増産体制。原料も潤沢な状況。

なお、これらより消費期限が短い「パン」は、「注文に応じて生産。現状、首都圏の工場は約8割の稼働率であり、今後注文が増えても増産余力がある」という。仮に増産の対応ができなくなった場合の備えもしており、「他地域からの転送、品目を絞った特別な増産を行うなど、万全の供給体制を敷いている」ということだ。

(画像:農林水産省)
(画像:農林水産省)


また、農水省のホームページでは、牛乳や乳製品、精米、、小麦粉、砂糖、納豆などの在庫や供給状況も掲載していて、各団体からの「供給が途絶えることはありません」「在庫、供給力は充分にあります」などのコメントが並び、食品においては今後も安定した供給がありそうだ。

今回は台風などの災害とは状況が異なる。流通自体が止まり、スーパーなどに商品が届かなくなる可能性は低いだろう。そして、農水省が呼びかけているように食品小売や卸、製造メーカーがこのような対応をとっているので、落ち着いて、いつも通りの買い物を心がけていただきたい。


【関連記事】
東京都で感染者新たに47人「緊急事態宣言」に現実味...私たちの生活はどうなるのか?
「首都封鎖いわゆるロックダウン」が東京で実施されるとしたら、どんなことが起きるのか?

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。