ライブハウスから「クラスターの連鎖」か

ライブハウスという閉ざされた空間で起きたとみられる「クラスター感染」が各地に飛び火する中、感染拡大を防ぐための対策が始まっている。

大阪市のライブハウスで起きた小規模集団感染「クラスター」。感染者は3月5日までに全国の15人に上り、そのうちの1人は東京世田谷区の保育所で働く30代の女性であることがわかった。

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さらに、感染者の1人は別のライブハウスにも行ったことが判明。クラスターの連鎖が起きた可能性が出ている。

臨時休校4日目 映画館に多くの若者たち

東京都渋谷区では、5日も映画館を訪れる臨時休校中の若者たちの姿が見られた。

臨時休校中の高校3年生:
今から映画見に行きます。時間つぶしにすごくいいなと思って

臨時休校中の高校1年生A:
やっぱり暇だから「映画行っちゃう?」みたいな感じで

臨時休校中の高校1年生B:
前ははしごしました

臨時休校中の高校1年生A:
1日に2つ?

臨時休校中の高校1年生B:
いや、3つ

「間隔を空ける」対応も…ウイルスは約2m飛ぶ

多くの人が集まる密閉空間である映画館。感染防止策として、シネコン大手の一部は6日から原則1席ずつ座席間隔を空けてチケットを販売することを発表した。

座席の間隔を空けることで感染リスクは減らせるのか?Live News it!の取材班は、映画館に近い空間で専門家に話を聞いた。

感染症に詳しい・中原英臣医学博士:
1人がウイルスに感染しているとします。横を向いて思いっきりせきくしゃみをすると、ウイルス2m近く飛びます。そうしますと、3席隣までウイルスが飛ぶと考えられます

同様に、前に向かってせきやくしゃみをした場合も2列先まで飛沫が飛ぶ恐れがあり、十分な効果は期待できないのではないかと指摘した。

さらに中原氏が感染リスクの可能性を指摘したのは、座席の肘掛けだ。

感染症に詳しい・中原英臣医学博士:
もし私がウイルスに感染していて、この手にウイルスがついたとします。映画館に行くと、座る時には必ず座席を触ります。座ってからは肘掛けに手を付けます。そうしますと、椅子や肘掛けにウイルスが付着する可能性があります

蛍光塗料で検証 ウイルスはどう付着する?

そこで、蛍光塗料を新型コロナウイルスに見立てて映画館に近い空間で検証してみた。

まず、感染した人がせきをする際、口を押さえた手で座席の肘掛けに触ったとする…

肘掛けをよく見ると、ウイルスに見立てた蛍光塗料が付着しているのが分かる。

それを別の人が知らずに触ると、その手にやはりべったりと蛍光塗料が付着することもわかった。

別の人の手にもウイルスに見立てた塗料が付着
別の人の手にもウイルスに見立てた塗料が付着

つまり、座席の間隔を空けても次の上映で別の人が同じ席に座れば、肘掛けなどから感染する可能性があるというのだ。

シネコンでは番組の取材に対し「館内の適所に消毒液を設置し、来場者に対してもマスクの着用を推奨するなど、可能な限りでの感染防止に努めています」とコメントしている。

5日になって滋賀県で初の感染者が出たほか、新潟・京都・札幌・横浜でも新たな感染が判明。危険なウイルスは依然、猛威を振るっている。

(「Live News it!」3月5日放送分より)