新型コロナ対策の影響で…山手線の混雑が緩和

国内の感染拡大が続く新型コロナウイルス。しかし、その対策の影響が思わぬ方面に及んでいることをご存じだろうか。

通勤時間帯の今朝8時すぎ、取材班は神奈川県川崎市にある武蔵小杉駅で、ある異変に気が付いた。ホーム上であまり人の姿が見受けられず、通勤ラッシュの混雑が解消されたように感じられるのだ。

 
 
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武蔵小杉駅を2016年に取材した際の映像を振り返ると、そこには…

外山高志フィールドキャスター:
すごい数の人が駅へと向かっています。そしてその先には、改札に向かって長い行列ができています。

 
 

今日撮影した映像と、当時のものとを比べてみると、その違いは明らかだ。

 
 

かつてはホームでも、駅員が乗客を押し込まなければ、ドアが閉まらないほどの混雑ぶりだった。

 
 

しかし、今日の車内は席は埋まっているものの、乗客の間には十分な余裕が存在している。

 
 

30代女性:
毎日同じ電車に乗っていて、かなり人は減っているかなと思います。(以前は)ぎゅうぎゅうでしたけど、今は余裕があります。

20代女性:
横須賀線はだいたい1~2本くらい電車を遅らせないと乗れなかったんですけど、今は電車を遅らせずに待たずにすぐ乗れるので、人が減ったんじゃないかなという感覚はあります。押しつぶされて体が固定されるということはなくなりました。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、始められた時差通勤や在宅勤務の措置。その効果からか、“痛勤ラッシュ”とまで呼ばれた満員電車が一部の路線で緩和されていたというのだ。

JR東日本によると、山手線は、2月ピーク時の朝の混雑時における利用者数が、1割から2割も減少。

 
 

都営地下鉄においても、2月下旬の通勤ラッシュ時の利用者が、前月の1月より約1割減少したという。

 
 

鉄道各社が窓を開けての運行を開始、専門家も効果認める

しかし、街の人からは厳しい声も聞かれた。

30代女性:
隣に座ってるおじさんとかが、たまにすごくくしゃみしたりとかしてて。「うつるよ!」とか思いながら。

30代女性:
やっぱ怖いですね。(子どもは)あんまり乗らせないですね。

中には、こんな要望を語る人も見受けられた。

ーー電車の中で、「これして欲しいな、これ気になるな」ってことって何かあったりします?

20代女性:
「窓とか開けばいいかな」と思います。

こうした不安の声に対して、鉄道各社はある対策を講じ始めた。東京メトロや小田急電鉄は車内の換気のため、混雑する時間を中心に窓を開けての運行を開始

 
 

さらに東急電鉄、京王電鉄、西武鉄道でも窓を開けるよう、車内放送で呼びかけている。

 
 

昭和大学医学部の二木芳人特任教授は、「特に長距離の特急列車なんかもありますよね。そういうような場合に、窓を開けることは良いことだと思いますよ」と、人が密集する車内換気の有効性を認めている。

 
 

(「Live News it!」3月4日放送分より)