「置き薬」を知っていますか?

これは320年以上前に富山県で生まれた薬の伝統的な販売方法で、家庭や職場に薬箱を設置し、使用した分の薬の料金を後日、業者が回収するシステムのこと。

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アフリカに「置き薬」を

薬剤師で、NPO法人AfriMedico (アフリメディコ)の代表理事もある町井恵理さん。

製薬会社を退社後、2008年から2年間JICAの青年海外協力隊員としてアフリカのニジェール共和国でボランティアを行った。

病院まで片道2時間。薬も手に入らない状況を目の当たりしたことで、「『置き薬』は300年前の日本から発祥したものなのでアフリカ版、現代版に変えていこうと思って。本当にセルフメディケーション(自己治療)、自分たちでケアできるところをサポートできるのが置き薬」という考えに至った。

そして帰国後には、使った分だけ後払いする日本の「置き薬」のしくみをアフリカに導入した。

町井さんは「多いのは痛み止めとか。あと、農業とかやっているので、傷ができたりするため、塗り薬とかも出ます」と話す。

町井さんたちは医療の手が届かないタンザニアの村々を訪ね、これまで200世帯以上に置き薬を届けてきた。大量輸送により、薬代を100~200円ほどにし、農村部の住民でも買える価格を実現。

薬を売るだけでなく、スタッフが住民と対面し、健康状態のヒアリングや正しい薬の使い方を伝えることも、従来の「置き薬」システムの大切な役割だという。

江戸時代から続く“健康づくり”の文化と知恵をアフリカに届けたい。

町井さんは「医療はみんなが受けるものだと思っていて、途上国の地方になればなるほど届かないので、そういうところにもリーチしていきたい」と語った。

NPO法人AfriMedico
https://afrimedico.org/

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