2月16日専門家会議が行われた。

加藤厚労相:
患者が増加する局面を想定した対策を、今から取っていくことが必要というご見解をいただいた。

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どんな症状が出たら感染を疑えばいいのか

感染源を追うことも、いつどこで、うつされたのかも、わからない「市中感染」が拡大。新たな局面に入ったという。

では、どんな症状が出たら、感染を疑うべきなのか。医師に話を聞いてみると…

東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋毅教授:
初期症状は風邪とほとんど一緒です。それに加えてすごく倦怠感が強いということなんですけれども、呼吸が苦しいとか、せきやたんが出るって言うことになるとそれはやはり受診した方がいいと思います

初期症状の目安は、発熱とせきなど、かぜに似た状況が1週間以上改善しないこと。中国では、胃腸などの消化器官の不調を訴えるケースもあるという。
市中感染を心配する問い合わせはすでに、街のクリニックにも殺到している。

池袋大谷クリニック 大谷義夫院長:
急に増えて参りました。1日何十件かのお問い合わせを頂いております。原因不明の肺炎の中に新型コロナウイルスの肺炎も考えなくてはいけませんから、患者さんたちは心配だと思いますね

実は、新型コロナウイルスによる肺炎には、ある特徴が…

池袋大谷クリニック 大谷義夫院長:
たんの色を見ていただいて、それを教えていただけると、一つの治療の目安にはなりますね

肺炎は、主に細菌性とウイルス性に分かれており、マイコプラズマなど細菌が原因の肺炎は、たんの色が黄色や緑など、濃いものになる。その一方で、新型コロナウイルスに限らないが、ウイルス性肺炎たんは白っぽいものや透明になることが多いという。

感染したと思ったらまず自治体の相談窓口に連絡

次に、自分が感染している可能性が高いと感じた場合はどうすればいいのか?

まずは、自治体などの相談窓口に問い合わせるのが基本。

その際、37.5度以上の発熱、せきなどの症状、武漢市からの帰国者などの条件に当てはまるのか確認。感染の疑いがある場合などは、専門の医療機関で診察、その後、検査という流れとなる。

しかし、2月16日政府は局面が変わったとして感染疑いの新たな相談目安の内容を2月17日にも公表するとしている。

新型コロナウイルスの検査はどのように行われるのか

その後、検査はどのように行われるのか?

尼崎市立衛生研究所 村上隆太郎さん:
これが検体なんですけども、中に綿棒が入っています。この綿棒は病院の医者が喉を拭って、液をとりまして、それをウイルス輸送培地に入れて検体として保管されます。

新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べるPCR検査。ジェラルミンケースで運ばれてきた検体は、4重の包装で厳重に管理されている。

尼崎市立衛生研究所 村上隆太郎さん:
これは安全キャビネット。ここから風が出て吸ったり出たりしているんです。検体が外に出てこないようになっています

まずは、手作業で遺伝子情報の一部を抽出。この時、検体の感染力は失われる。その後、検体と試薬を混ぜ、特殊な装置でウイルスの遺伝子情報を確認し、陽性・陰性が判明する。

ただし、この検査はタイミングも重要だと医師は指摘する…

――ウイルスが出ない可能性もあるんですか?

東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋毅教授:
初期はウイルスが出ない可能性もあります。ある程度進行しないとウイルスの数が少ないから。

院内感染・病院の不足など問題は山積

これまでに、2回の検査結果が陰性でも、3回目の検査で陽性と判明したケースも。

また、「市中感染」と並んで懸念されるのが「院内感染」。和歌山県で、同じ病院の医師と患者の感染が確認されたことについて県知事は…

記者:
院内でウイルスをもらったのか?

和歌県 仁坂吉伸知事:
その可能性があるし、どこかからもらってそこで逆にうつした可能性もあるなと

では、新型コロナウイルスに関連する患者の治療は、どのように行われるのか?

めざましテレビが2014年に取材した感染症対策専用の病室がある、都内の病院。今回の新型肺炎の隔離治療も、可能な施設。医療スタッフは、防護服に靴カバー、手袋にマスクなどの厳重な装備を装着。病室は、一般病棟より広く、医療機器が追加可能なスペースを確保し、感染患者が病室を出ることなく治療を受けられる状況に備えるため。また食事の提供は、2重の小窓を通じて行われ、直接接触することはない。

今回の新型肺炎の治療ができるのは第二種までの隔離ができる病院で、全国に約400機関、1870のベッドで対応する。

それでも、現在の感染者増加のペースを考えると…

東京歯科大学市川総合病院 呼吸器内科 寺嶋毅教授:
軽症な人まで第二種以上の病院で引き受けていたら、隔離治療用のベッドが1週間から2週間で足りなくなると思います

もし新型肺炎のような症状が出た場合は、かかりつけの病院に行くのではなく、厚生労働省の相談窓口または、全国に536ある相談窓口に相談する。全国の相談窓口は今後24時間対応になると2月16日に発表された。

そして37.5度以上の熱、咳などの症状、感染者との濃厚接触がある、指定病院の医師の診断などがあると、ウイルス検査に進んでいく。

政府は2月16日検査前に診療できる医療機関の数を増やすと発表したほか、感染疑いの新しい目安を2月17日も公表する予定だとしている。

感染ピークにどれだけ対応できるのか注目だ。

(「めざましテレビ」2月17日放送分より)