松江市の会場がベトナムのお正月に

豪華なベトナム料理と大勢のベトナムの人たち。まるでベトナムのようだが、ここはベトナムではなく、島根・松江市。白潟公民館で1月26日、旧正月を祝うベトナム人の人たちのパーティーが行われた。

集まったのは、総勢102人のベトナム人。

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この日は旧暦の正月で、ベトナムでは「テト」と呼び、家族と共に祝う。

そんな大切な日だが、仕事や学校などで帰省できないベトナム人が集まった。

参加者(ベトナムの乾杯):
モ・ハエ・バッ ヨ!! (日本語:1・2・3 よしっ!!)

ベトナムのお正月に欠かせない鶏肉のまるゆで、揚げ春巻き、おこわも手作り。果物を飾りつけ、縁起を担ぐ風習も再現した。松江の会場がベトナムのお正月の雰囲気に包まれた。

参加者:
楽しい。懐かしい感じがよく出ています

企画者はベトナム人対応職員として働く男性

このイベントを企画した、ファム バン クアンさん(25)。

日本の建築を志し、7年前にベトナムから来日。2019年に島根大学を卒業し、今は「しまね国際センター」で、センター初のベトナム人対応職員として働いている。

ファム バン クアンさん:
今は翻訳の仕事をしています。(ベトナム人からの)相談を受けることがメインで仕事をしています

法務省によると、全国的に5~6年前からベトナム人が増え、島根県内では1317人。ブラジル人に次いで、中国人とほぼ同数だ。

鳥取県内では、ベトナム人がトップの1213人にのぼっている。その8割が、企業で働く実習生。

センターで相談を受けるクアンさんは来日当初、自らもベトナム人にだまされた苦い経験があり、また、相談を通して言葉の問題などから孤立したり、お金に困ってベトナムに帰れず、不法滞在になったケースを知り、こうした交流の場を設けた。

ファム バン クアンさん:
(東京に)1、2年住んだ時、悪いベトナム人がいてびっくりしました。恥ずかしかった。なぜ、ベトナム人が日本で悪いことをしているのか。わたしも悪い人にだまされたことがあって、こっち(島根)には悪い人はいないから、その犯罪を防ぐためにこのグループを作りました

「続いてほしい」ベトナム人交流の場

正しい情報と、ベトナム人同士や日本人との交流の場を作るために、facebook上でグループを作ると、今では山陰両県約500人のベトナム人が登録。

もちろん、このイベントの呼びかけにも役立てています。

参加者:
仕事ばかりだから、機会があれば集まったほうがいいと思います

参加者:
めちゃめちゃ楽しいです。日本人の方もぜひ参加してもらいたい

ーー日本は好きですか?

参加者:

(島根は)静かだし、日本人も親切です。だから好きです

ファム バン クアンさん:
僕はあと1年か2年しか日本にいないかもしれないし、ほかの人も実習生も3年延長しても、もう2年くらいしかいない。なので、ずっとリーダーでいることはできないので、今年はこの人、来年はこの人というふうに、みんなで続いてやっていってほしいです

自らの苦しい経験から作ったベトナム人の交流の場。今後は山陰の人たちとの交流を広げていこうと、活動を続ける。

(山陰中央テレビ)

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