新型コロナウイルスによる肺炎の感染者が拡大する中、マスクの確保も難しい状況となっているがその影響は思わぬところにも及んでいる。
感染リスク軽減のため、企業の採用活動で、新卒者との面談を直接会わずに、Skypeなどを使ってウェブ上で行うところが出てきている。
人材サービスの大手エン・ジャパンでは、2月5日から来春入社の新卒向けの本選考前の面談を全てSkypeで行うという。
なぜこういったやり方にしたのか?そして、ウェブ面談によるデメリットはないのか?
エン・ジャパン新卒採用担当者にリアルな声を聞いてみた。
学生と社員のコロナウイルス感染確率を下げるため
この記事の画像(4枚)――毎年、この時期、何件ほど就職希望者の面談を行う?
1日あたり20件程度行います
――今回、ウェブ面談に切り替えた理由は?
学生と社員のコロナウイルス感染確率を下げるためです。
2015年より、地方学生向けにウェブ面談を導入していました。
今回、新たに導入したのではないため、スムーズに意思決定ができました。
――マスクを着けて、面談するという方法ではダメ?
現状難しいと考えています。
マスクの売り切れが続いており、会社で面談に来る学生分のマスクを確保するのが難しいためです。
学生「マスクを付けたいが、失礼だからつけられない」という声も
――学生の中には、新型肺炎の不安の声は挙がっていた?
挙がっています。
「本当はマスクをつけたいが、面接や面談をするにあたってマスクをつけているのは
失礼だから取らないといけない」と感じていると言っていました。
そのため、会社としての意思を伝えた方が学生が安心すると思い、決断しました。
――人事部では、“新型肺炎”の不安の声は?
挙がっています。社内でもマスク着用の人が多くいます。
――これまで、ウェブ面談でデメリットを感じたことはありますか?
特にありません。
――今後も新型肺炎が収束しない場合、採用に影響することはある?
以前からウェブ面接や面談をしていたので、特に問題はないと思います。
担当者の話では、以前から地方の学生などとウェブ面接していたため特に問題はないということだったが、中国本土では感染者の数は2万人を超え、収束が見えない中、「不安だけどマスクをしたまま面接は受けづらい」という就活生の気持ちもわかるので、企業の採用活動でもこうした動きが増えてくるかもしれない。
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