中学生ダンサーがパリ五輪の指定強化選手候補に選出
キレキレの動きで世界一を目指すブレイクダンサー。受験勉強真っただ中だが、家族のサポートを受け、世界での飛躍を誓う。
全国のブレイクダンサーから注目されている、長崎のB-girl「RIKO」。
2019年11月に初めて開催された「全日本ブレイキン選手権」に、九州ブロック代表として出場。
日本トップレベルのダンサーが集まる中、全国4位に輝いた。
その素顔は、なんと中学生。
長崎市内の学校に通う藤原理恋さん(15)は、高校受験を控えた中学3年生。
ブレイクダンスは、アメリカ・ニューヨーク発祥のストリートダンスの一種で、世界各地でダンスバトルが行われている。
2020年12月には、2024年のパリオリンピックの正式種目になる見通し。
藤原さんは、過去の実績からオリンピックの指定強化選手の候補に選ばれている。
小学4年生でブレイクダンスを始めて5年、できる技は50種類ほどある。
練習に欠かせないのが、スマートフォン。
この2年間は、滑らかな動きを追い求めてきた。練習は、いつも夜遅くまで続く。
勉強とダンスを両立…「先生」としても活躍
藤原さんは週に一度、子どもたちにブレイクダンスを教える「先生」としても活躍している。
小学4年生 柿田蒼志さん:
理恋ちゃんのダンスがかっこよくて、オリンピック(候補は)すごい
小学6年生 道向恋音さん:
服装とかダンス、全部かっこいい
藤原理恋さん:
自分が気付かないところも忘れてるときに気付いたりして。教えて、その子もうまくなるし、自分もうまくなれるから、貴重で楽しい。この先生に教えてもらえてよかったとか、もっと憧れられるようなダンスをしたいし、見せたい
とは言え、今は受験生。高校入試を3月に控え、今は2つの塾に通いながら、「志望校合格」を目指す。
ある日の午後10時、父親の奨さんが車で迎えに来てくれた。
父・藤原奨さん:
ここ3、4年は、夜ご飯を家族で家で食べることは...
藤原理恋さん:
結構少ないね。外食とか
父・藤原奨さん:
家族団らんの時間をとったら たぶん練習する時間はなくなる
藤原理恋さん:
最初、壁倒立できんかったもんね
父・藤原奨さん:
壁倒立できんかったね~。先生から、『ここまで運動神経がない子は初めて』って言われた
藤原理恋さん:
でんぐり返しもできんかった
塾のあと向かったのは、隣町のスタジオ。
踊らずには、いられない。
レッスンのない夜中に特別に貸してもらい、練習時間を確保している。
藤原理恋さん:
技ができたときの達成感とか相手とのコミュニケーション、ほかのジャンルにはない部分がたくさんあるので、面白いし、そういうところに魅力を感じます
奮闘する娘を支える父親…二人三脚で世界へ
藤原さんの持ち味は、足さばきで魅せるフットワークの速さ。大会で大人と並んでも引けをとらないと、高い評価を受けている。
ダンスを教える岩永朝太郎さん:
同じ女子選手と比べると、立ち居振る舞いは女の子らしいけど、フロアに入ったときのキレとか、男子選手にも劣らないくらいかっこいい部分をよく見てほしい
勉強とダンスを両立しようと奮闘する藤原さん。一番のサポーターは父親の奨さん。
父・藤原奨さん:
楽しみですね。親のほうが、ずっと面白い思いばっかりさせてもらってて。何かを一生懸命やってるうちは、ぐれたりすることがないんで。真剣にやってくれてるのは、ありがたいですね、
この日、練習が終わったのは午前1時半。午前3時近くまで、夢中で踊る日もあるという。
文字通り、寝る間を惜しんだ練習で、目指すは世界一。
藤原理恋さん:
今、一番頑張りたいことは、フットワークの速さももっと速くしたいし、パワームーブもフリーズも、全部バランスよくしていきたい。(2022年の)ユースオリンピックとオリンピックに出場できるように頑張る
2024年、オリンピックでの初代金メダリストとなれるか。
東京の、さらに4年後を見据えた藤原さんの戦いは、すでに始まっている。
(テレビ長崎)