仕事に来てるんだけど家の延長線上

東京・品川区にあるベンチャー企業「アカツキ」。数々のヒット事業を生み出す源はオフィスの足もとにあった。

そのオフィスは、そこにはバリスタが入れた本格的なコーヒーを飲むことができるカフェのような空間や…

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おしゃれな図書室、そしてボルダリングスペースまであり、一見オフィスとは思えないような空間が広がっていた。

男性従業員:
リラックスできますね。なんか家にいるみたいな…

アカツキ・塩田元規代表取締役CEO:
仕事に来てるんだけど、家の延長線上というか、自然体で会話ができるというのがコンセプトです

創業からわずか7年で東証1部に上場

アカツキは、「八月のシンデレラナイン」などのモバイルゲーム事業や…

「うんこミュージアム」などのライブエンターテインメント事業で次々とヒットを生み出し、創業からわずか7年で東証1部に上場した急成長企業。

オフィスには床一面に草原を連想させるような緑色のカーペットが敷かれ、大きな窓からは太陽の光が差し込むラウンジも。ここでは仕事はもちろん、ランチ後に昼寝をしている人もいた。

アカツキ・塩田元規代表取締役CEO
基本的には空いている空間なのでミーティングしたりとか、ゆっくり寝ていたりとか、そういうのも全然OKという感じで…

また、社内にある図書室では、アート本やグルメ本、絵本など、一見、業務とは関係のないさまざまな本を自由に読むことができる。

アカツキ・塩田元規代表取締役CEO:
クリエイティビティーや創造性が刺激される空間って、ほとんどないと思う。でも、こういう物が置いてあると、ちょっとゆとりができて、インスピレーションが湧くんですね

家での“はだし”を再現することで自然体で仕事

そんな、今どきオフィスにはもう一つ特徴が…

カフェのようなソファ席で打ち合わせをしている従業員の足元を見てみると、靴を履いておらず“はだし”…

先ほどの緑色のカーペットエリアにミーティングで集まってきた従業員たちも、みんな靴を履いておらず“はだし”なのだ。

アカツキ・塩田元規代表取締役CEO:
“はだし”は創業時からの文化で…

アカツキでは出社するとエントランスで靴を脱ぎ、はだしで仕事をするのだという。

女性従業員:
女性だと当たり前のようにヒールやブーツを履くと足が痛くなるので…毎日、靴を脱いで仕事ができると健康的にもありがたいです

男性従業員
靴を脱いで、家みたいな感じで『おう!』みたいな。『ゲーム作っていこうや』みたいなラフな雰囲気があるので…

家での、はだしを再現することで、自然体で仕事ができるオフィス。なぜ、このようなオフィスを作ったのか?

アカツキ・塩田元規代表取締役CEO
リラックスで旅行や温泉に行ったりするじゃないですか。でもそうじゃなくて、それ自体が会社に内包されている。それが結果的に安心安全ができて、そうすると社内の人間環境がよくなって、雰囲気もよくなる。『安心安全』と『本当に信頼できる関係』が作られれば、誰かが誰かをコントロールしなくても、可能な限り自分たちの事業とかが生まれていくし、自分たちがアイデアを持って考えてどんどん改善していくので、それをオフィスという形で表現したのがアカツキの場所。

仕事の世界観をオフィスが表現

Live News αのスタジオでは、ソニー時代に薄型テレビの商品化などを担当した早稲田大学ビジネススクールの長内厚教授に話を聞いた。

三田友梨佳キャスター
“はだし”になるとは斬新なアイディアですが、雰囲気が良くなるというのも分かる気がしますね

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏
そうですね。日本人は靴を脱ぐとすごくリラックスしますよね。海外だと少し抵抗があるかもしれませんが。あと、女性はヒール、男性は革靴みたいなステレオタイプを無くすこともできますし、会社の雰囲気あるいは会社が職場を通じてメッセージを発しているようにも見えますよね

長内厚氏
長内厚氏

三田友梨佳キャスター
ヒールについては女性が声を挙げる動きもあった中でみんな一緒というのはいいなと思いますが、テレワークなどを普及させようとする今の時代、オフィスの持つ意味というのも変わってきそうですね

早稲田大学ビジネススクール教授・長内厚氏
やはり仕事の世界観をオフィスが現していると思います。クリエイティブな仕事ほどフェイストゥフェイスで人間関係が非常に重要なんだと思います。テレワークだとメールとか文章にできる情報が伝わると思いますが、やはりその場の雰囲気だとか暗黙知的なものってフェイストゥフェイスのコミュニケーションが大事なので職場の雰囲気を作る非常に重要なことだと思います

三田友梨佳キャスター
そうですね。効率化に留まらずあえてリアルな空間を共有する意義やその価値を高めるためにはさまざまなアプローチがあるようです

(「Live News α」1月30日放送分)