新型コロナウイルス対策で出社制限する企業も

中国を中心に発症が広がっている新型コロナウイルスによる肺炎。この感染が日本にも及び、国内でも既に4人の感染者が確認されている。

日本国内外での感染が拡大する中、政府が中国武漢市に滞在する日本人をチャーター機などで帰国させる方針を示したことに加え、日本の企業も対応に動き出している。

オーディオブック配信サービス「audiobook.jp」を運営する株式会社オトバンク(東京)は、「新型コロナウイルス」の感染拡大を受け、1月27日から2月10日までを目途に、「原則リモートワーク」など、以下3つの対応をとるというのだ。

(1)通勤ラッシュ時(午前7時~午前10時)において全従業員が電車通勤を回避
(2)不要な出社を控え、基本的に在宅勤務を実施
(3)外出時および社内においてマスクの常時着用を実施

新型コロナウイルス対策を始めたオトバンク(画像:オトバンク)
新型コロナウイルス対策を始めたオトバンク(画像:オトバンク)
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なお同社では、社員の心身への負担の軽減やパフォーマンス向上を目的に、2016年10月から通勤ラッシュ時の満員電車を避けての出勤の推奨(コアタイムを廃止)や各自の判断でリモートワーク(社外勤務)を可能とする取り組みを実施。

今回の対応の主旨について久保田裕也社長は26日、「普段からリモートワークを日常的にOKとしている真価が発揮されるよう、一同で頑張っていきます」などとツイートしている。




急速に感染が広がる中の素早い対応だが、なぜこのタイミングで実施したのか。オトバンクの広報担当者に話を聞いた。

社員の安全確保及びリスク回避の目的で急遽、実施

ーー新型コロナウイルス対策をきょう27日から始めた理由は?

国内でのリスクが明確になっていないため、状況把握ができるまで社員の安全確保及びリスク回避の目的で実施することとなりました。


ーー満員電車の出社を全面的に禁止にしたり、社内外でのマスク着用の義務は初めての取り組み?

満員電車については、社員のパフォーマンス向上やトラブルに巻き込まれるリスクの回避等を目的に2016年10月から「満員電車禁止令」を実施しております。通常時から満員電車の乗車を控える取り組みを行なっていますが、今回のコロナウイルス感染拡大対策として、より全面的に対応することといたしました。マスク着用は今回が初めての取り組みです。


ーーきょうはどのくらいの社員が在宅勤務をしている?

昨日(26日)の決断だったため一部(数名)の出社があるものの、それ以外は在宅勤務をしている状況です。

ーーちなみに、通常はどれくらいの社員が在宅勤務、通勤ラッシュを外して出社している?

基本的に各社員が働きやすい環境を自ら選択するという取り組みですので、通常時は日や状況に寄って各社員で判断しています。だいたい通勤ラッシュを外しての出社は約9割程度。在宅勤務は約4割程度です。常時からリモートや時差通勤をしているため、現状混乱はありません。


ーーまずは2月10日までの措置のようだが、延長などはあり得る?

昨日決定し、社内通知を行いました。先の回答にもあります通り常時リモートや時差通勤を取り入れてるので混乱なく実施できております。また、今後状況を見て短縮や延期はあり得ます。


今回の迅速な対応ができたのは、既にリモートワークなどができる環境にあったことが大きかったようだ。ただ、新型コロナウイルスについてはまだ分からないことが多い。他の企業も、社員の安全確保のため、今後は不要な出社を控えさせるなどの対応が必要になってくるかもしれない。

「感染拡大…新型コロナウイルス」特集をすべて見る!
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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。