イオンが従業員のマスク着用を原則禁止

イオンは食品加工担当者など、一部を除いた従業員に向けて、接客時におけるマスク着用は原則禁止するという新方針を12月中旬に初めて打ち出した。
マスク着用原則禁止の通達に、イオングループの専門店街で働く従業員は…

イオン専門店街の従業員:
マスクができないことで予防しきれず、風邪をひきました。明日は仕事です

イオンがマスク原則NGで物議…接客時の着用の是非について詳しく見ていく。

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イオンはマスク原則着用禁止の理由について、「接客時におけるマスク着用は顔の半分を覆い隠してしまうため、お客さまにとって表情がわかりにくく、声も聞こえづらくなり、お客さまとの円滑なコミュニケーションの妨げになります」と主張。

接客に支障が出るとしてマスクの着用を禁止することを通達した。さらに「また、風邪や体調不良のイメージを持たれ、不安を抱かれる場合があります」とも説明している。

これに対し、イオングループの専門店街で働く一部の従業員が「マスクなしでは風邪などの予防ができない」と反発している。

イオン専門店街の従業員:
上司に「基本的にマスクをしてはいけない」と言われました。 納得できません

接客業ではマスク着用についてどう対応しているのか

では、ほかのスーパーではどう対応しているのか?

複数のスーパーチェーンを取材したところ、多くが「明確な規定はない」と回答した。中にはイオン同様、マスクNGのお店もあった。
そんな中、「従業員のマスク着用は自由」としているスーパーに向かい、マスクを着用している従業員に話を聞くと…

マスクを着用している従業員:
インフルエンザの予防でつけています。(自分がかかって)お客様や他のスタッフの人たちにうつしちゃいけないなと思って

接客時の従業員のマスク着用は、お客様のためでもあるという。従業員のマスク着用についてお客さんの反応も様々だった。

女性客A;
もちろん、つけている人の方がいいですよね

男性客:
清潔感がある

女性客B:
ちょっと風邪っぽい感じでマスクをしているんだったら、風邪がうつったら嫌だなって

一方、マスクをしていない従業員に話を聞いてみると…

マスクを着用していない従業員:
接客業をしてる上で、表情が見えた方がお客様が安心するかなっていうのはあります

接客時のマスク着用をめぐって、意見は様々。では、スーパー以外の接客業ではどんなルールになっているのか。

めざましテレビが百貨店4社に聞いたところ、「原則着用しない」が2社、残りの2社はそれぞれ「状況に応じて着用を認める」「着用は推奨していない」と回答した。
あるファミリーレストランでは、希望者はマスクを着用できる一方、その際は接客ではない業務にまわることもあるという。

接客時のマスク着用の効果について医師は…

池袋大谷クリニック 大谷義夫院長:
咳やくしゃみをすると、飛沫は1.5mから2m飛ぶんですね。つまり、レジにいらっしゃる方は客からうつる可能性は十分あると考えます。マスクは予防に有効だと思います

イオン「意図が伝わっていなかったので今一度説明」

今回、マスク着用を原則NGとしたイオンだが、風邪気味だったり、花粉症、家族に受験生がいる等のケースでは、上司が着用を許可するという。
マスク禁止への反発について、イオンは「十分に意図が伝わっていなかったので、今一度説明をするようにしています」としている。

マスク着用のデメリットとしてあげられる「表情が見えなくなること」への対処として、現在は透明な衛生マスクの普及が進んでいる。
ベーカリーやピザ店、食堂などで導入されており、表情が見えてコミュニケーションをスムーズに取ることができ、好評だという。

(「めざましテレビ」12月26日放送分より)