壁は黄、赤、青…グーグルが認めた日本人起業家のベンチャーカフェとは

カテゴリ:ビジネス

  • 若い起業家がビジネスのヒントを掴める「メンローパーク・コーヒー」
  • オーナーはシリコンバレーで成功した日本人経営者・加藤崇さん
  • 「人と違うことを恐れてはいけない」独創性を後押しして成功の一助に

ビジネスのヒントを掴めるカフェ

東京都心にあるビルの1室。
置かれているのは、パソコンが1台だけ。ここはベンチャーを立ち上げた起業家のオフィス。

ITベンチャー経営・赤堀将太郎さん(29)
一番自分が関心と情熱を持てるのが、発電プラントの世界だなと。この業界に1人で入っていきたいと思った。

ITベンチャー経営・赤堀将太郎さん

大学を卒業後、精神科の医師の道を歩んでいた赤堀さんだが、エネルギー産業への強い思いから、ITベンチャーを立ち上げた。
しかし、「自分は経営者に向いているのか」、「資金調達はどうするのか」など、悩みはつきないという。

そんな赤堀さんが向かったのが、渋谷にある小さなカフェ。
実はここ、ビジネスのヒントが詰まった若い起業家にとってのチャンスをつかむ場になっている。

赤堀さんを出迎えてくれたのは、店のオーナー・加藤崇さん。
加藤さんは、赤堀さんのような若い起業家にとって憧れの存在。

店のオーナー・加藤崇さん

赤堀将太郎さん
加藤さんとカフェで話させてもらって、細かいところまで質問しても全部パッと的確な返事が返ってくるのがすごいなと思う。

グーグルが買った“初の日本企業”として世界的に注目

ヒト型ロボットベンチャーを創業

2012年、東京大学の研究チームとヒト型ロボットベンチャーを創業した加藤さん。翌年、グーグルがその高い技術力を認め、加藤さんの会社を買収。

グーグルが買った初の日本企業として、世界的に注目された。

そして現在、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンなどが本社を置くシリコンバレーで、人工知能を用いた水道管のインフラ整備を事業化。
ベンチャーの聖地で成功した日本人経営者として知られている。

その加藤さんがオープンしたカフェとあって、若い起業家たちが経営のアドバイスを求めてやってくる。

赤堀将太郎さん
調達前にベンチャーに9億円とか10億円の価値があると認めてくれる会社は、日本だと少ないのではないか?

加藤崇さん
ビジネスモデルとテクノロジーの蓋然(がいぜん)性みたいな話。あまり気にすることはない。結局、誰もそんなことは評価できないから。

来店した起業家
マーク・ザッカーバーグの映画を見て、「世界を変えるんだ」と起業しました。

加藤崇さん
ソフトウエアからの開発から始めて?
ベンチャーの世界に入ったからには、今の社会の枠組みを壊すようなことをしないと。

シリコンバレーでは、カフェが起業家と投資家の出会いの場にもなっていて、このカフェもそんな場所にしたいという加藤さん。

シリコンバレー

「人と違うことを恐れてはいけない」

加藤さんは日本の若い起業家に大事にしてほしい思いを、カフェの壁の色に込めた。

加藤崇さん
壁を黄色く塗ること、赤く塗ること、青く塗ること、つまり人と違うことを恐れてはいけない。日本のベンチャー自身が「寄らば大樹のベンチャー」のようになっていて、そこに違和感を感じている。

加藤さんは、このカフェで若い起業家に大きなチャンスをつかんでほしいという。

加藤崇さん
この中で伝えたいことは、「このカフェも変わっているでしょ。あなたもそれでいいんだよ」と。それが彼らの独創性を後押しすると信じていて、おのおののベンチャーを成功させると信じている。その一助にこのカフェが使えればいい。

コーチングやメンタルケア、事業相談など…ビジネスに広がり

三田友梨佳キャスター
石倉さんはどう思われますか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏
会社を起業するとかベンチャーを経営するとなると、かなり精神的にタフなんじゃないかとかエネルギーに満ちあふれているのではないかという風に一般の方からするとかなり強い人に見えると思うんですね。もちろんそういった側面もあると思いますが、会社経営は非常に難しい問題や初めてぶち当たる問題もたくさんあるので、自分だけで解決できないことはたくさんあるんです。なので今、スタートアップの経営者を中心に、そうした人を対象にコーチングをしたりとかメンタルのケアをしたりとか、事業の相談に乗る、そういったビジネスをすることも昨年ぐらいから広がってきていると思います。

石倉秀明氏

三田友梨佳キャスター
なぜそのようなビジネスが広がりつつあるとお考えですか?

(株)キャスター取締役COO・石倉秀明氏
ITを中心として一度起業した人がその会社を成功させてその後起業家の支援に回ってくることが非常に増えていると思うんです。その方々は起業した方なので経営者の大変なところ、どこで苦労してつまずくかを分かっているので、起業家の力だけでなくて周囲でその人を支えてエコシステムとしてみんなで成長していこうという支援が広がっていると思います。私も経営している中でいろいろな方に事業や組織の相談をしたり、コーチングを受けて自分では分からない自分の一面や会社の状況のアドバイスをもらって助けてもらいながら会社をやることが非常に増えている感じがします。

三田友梨佳キャスター
起業家や経営者は華々しいイメージがありますが、一人で仕事を見極めて全てを決めるという点では孤独との戦いかもしれませんからこういったことが大切になってくるのかもしれませんね。

(「Live News α」12月24日放送分)

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