給食のかまぼこを持って帰りたい! 小2男子が考えた方法は…

嬉しいことや楽しいことがあれば、みんなと共有したい!と思うものだが、今、そんな気持ちから生み出された子どもの斜め上のアイデアが話題になっている。

Twitter上で大人気となっているのは、イラストレーターの石塚ワカメ(@WakameEnk)さんが投稿した、雪だるま型のかまぼこの写真。

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かまぼこがちょこんと乗っている場所は、石塚さんの小学2年生になる息子さんの袖。
給食の「吹き寄せ汁」の中にこの“雪だるまかまぼこ”を見つけた息子さんは可愛らしい形にどうしても「お母さんにも見せてあげたい!」と思ったそうだ。

しかし、場所は学校で写真を撮って見せるわけにもいかず、かまぼこを食べずにこっそり持って帰る方法を探したそうだが…驚きなのはここからの行動。

帰宅後、さっそくお母さんに見せてくれたこのかまぼこ、どこから出てきたかというと…なんと口の中

給食から掃除の時間、5時間目の授業、帰りの会を経て下校と、帰宅までずっとかまぼこを口の中に入れて保管していたというのだ。



歯型もつかずしっかりと形が残っているかまぼこの写真には「よく噛まなかったなあ…」「お母さんに見せたいって気持ちが優しい」とコメントが続々。

さらに「そういえば小さい頃、給食に出たうずらの卵や白玉団子を口の中にずっと入れていた…」という体験談も複数寄せられ、3万6000件を超える「いいね」がつくなど、大人では思いつかない斬新な“お持ち帰り方法”は大きな反響を呼んだ。(12月26日現在)

しかし、この大事に大事にお持ち帰りされたかまぼこ、最終的にどうなってしまったのか…さっそく、石塚ワカメさんに詳しくお話を聞いてみた。

母は「えっ?なんで?」からの「きゅん」!

――ズバリ、持ち帰ってくれたかまぼこを見たときの感想は…

「えっ?なんで?」です。

帰宅するなり意気揚々と袖にかまぼこを乗せて見せてくれたんですが、なぜ袖にかまぼこが乗ってるのかもわからないし、なぜここにかまぼこがあるのかもわからない。目の前の光景をうまく情報を処理できず、頭のなかが「?」だらけでした。

時間をかけてひとつずつ謎を紐解いていくと、「給食に出たかまぼこがとてもかわいかった」「お母さんに見せたくて口の中に入れて持って帰ってきた」ということが判明しました。ちなみにかまぼこが袖に乗ってた理由は「まだ手を洗っていないから、袖なら清潔だと思った」だそうです。

状況を理解してからようやく、母に見せたいがために一生懸命口のなかでかまぼこを保管してた息子の姿を想像して「きゅん」が遅れてやって来ました。


――口の中にずっとかまぼこを入れていて周りにバレなかった?

かまぼこと言ってもカップラーメンに入っているような薄いものなので、上顎や頬の裏に貼り付けてうまく隠していたみたいです。


――ポケットに入れるなどせずに、口に入れて運んだ理由は?

怖くて聞いてないです…。

でもおそらく、ティッシュの存在を忘れている→保管に適した容器が見当たらない→食品をポケットやランドセルに直接入れるのは不衛生→ハムスターのように口に入れて運ぶのが賢明!──という結論に至ったのではないかと思います(ぜんぜん賢明じゃないですが!)。


学校から帰ってきてすぐにかまぼこを見せに来てくれたという息子さん、手を洗う時間も惜しかったのか、きれいな場所を探してかまぼこを袖に乗せていたそうだ。

「口に入れて運ぶ」という斬新な方法と衛生観念への意識、そしてお母さんの戸惑いに笑ってしまうが…「なんとしてでも家まで持って帰る!」という強い意志は評価したくなる。

そして何より気になるのが、「お母さんに見せる」という目標を達成したあとのかまぼこの行方…

大事に持って帰ったかまぼこは「お母さんにあげる!」

――お母さんに見せたあとのかまぼこは…

「お母さんにあげる!」
と袖に乗せたかまぼこを勧められましたが、さすがにいらないので断ったら、手洗いうがいをしてから自分で食べてました。


――お母さんから見て、このアイデアはどう?

いやいやいや、どうもこうも、ナシですよ(泣)!

「気持ちは嬉しいけど、喉につまったら危ないし、腐ってお腹壊しちゃうこともあるから、もうやらないように」と言っておきました。
でも息子は頻繁に物をなくしたり忘れ物をするので、“道具がないなら現在あるものを使って工夫する”というサバイバル精神は、今後のためにも鍛えていくべき側面ではないかと思っております。


問題のかまぼこはその後お母さんにプレゼントされたそうだが、最終的に息子さんが美味しくいただいたそう。ちなみに息子さんの頑張りに「きゅん」としたお母さんだが、そのアイデアはもうやらないように注意したそうで、今回限りで「口に入れて運ぶ」という荒業は封印されてしまいそうだ。

「これからも親子で色々なことを学んでいきたい」

――「お母さんに見せたくて持って帰ってきたもの」は他にもある?

学校から持ち帰ったもので言うと、校庭で拾った「レアな小石」、「フェンスの切れ端」を化石でも発掘してきたかのように目を輝かせて見せてくれたことがあります。

普段からランドセルを開けると、ペットボトルのふたや、折り紙で折った恐竜、ノートを細かく切ったくじが雪崩のように出てきますが、これは特に見せてこないので、個人的な製作と収集のために持ち帰っているようですね。

主人と公園やキャンプにでかけたときなどは「超レアな石」を持って帰ってきてくれることが多いです。食品を持ち帰ったのはこれが初めてです(泣笑)。



白紙のテスト用紙は一体どこから…
白紙のテスト用紙は一体どこから…

――大きな反響がありましたが…

単純に息子の「アホ」な行動を笑ってもらおうと思ったら、思いのほか「ほっこりした」というご意見や、ご自身の幼少期の似たような経験を寄せていただき驚いております。息子に伝えると調子に乗るので、大きな反響があったことは言っていません(笑)。


――お母さんから見て、息子さんはどんな子ども?


宇宙人…?
一応常識的なことは教えているつもりですが、親の想像を超えた斜め上の行動をするので、事前に防ぎようがないことも…。これからも親子共々、たくさん失敗して、山ほど恥ずかしい思いや悔しい思いをして、いろんなことを学んでいくしかないのかなと思っています。でも、考えもつかないような突拍子もないことをするので毎日楽しいです。


「お母さんにも見てほしい!」というストレートな気持ちから生まれた、斜め上のアイデア。戸惑いつつもその優しい気持ちを受け止め、そして注意も欠かさないお母さんのスタイルに、息子さんの自由なサバイバル精神はぐんぐん伸びていきそうだ。

今回の“バズ現象”について息子さんは知らないということだが、これからもその発想力を生かして、たくさん感動を“お持ち帰り”してみてほしい。

「斜め上!子どもの発想力には敵わない」特集をすべて見る!
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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。