クラブやレイブなどでターンテーブルを操り音楽を作り上げる「DJ」
音楽性やスタイルに憧れ、ちょっとやってみたいと思う人もいるだろうが、自他ともに「DJ」と認められるようになるのは簡単ではないはずだ。


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ところが、合格すれば「一般社団法人 日本DJ協会」のお墨付きとなるという「DJ検定」という資格検定が12月1日にスタート。
たちまち大きな関心を集め、3日までに受験者数が1000人が殺到する事態になり、4日16時で一時的に休止されていた
そしていよいよ、12月24日から再開の予定となっている。

24日から再開予定
24日から再開予定

試験は無料&Web上で受けられる

「DJ検定」を始めた一般社団法人 日本DJ協会は、自らもDJ DRAGONとして活動する橋本達史さんが代表を務めていて、多くの方々にDJを知ってもらいたいという思いで活動しているという。
2015年10月5日に協会が設立して以来、これまで楽曲やDJの人気ランキングを発表したり、さまざまな年代が楽しめるイベントを行うなどの活動を続けていた。

協会代表の橋本達史さん 出典:一般社団法人 日本DJ協会
協会代表の橋本達史さん 出典:一般社団法人 日本DJ協会

今回始めた「DJ検定」は他に類がない日本初のDJに関する資格検定で、現在は5級のみが受験できる。
5級の試験は無料で、まずLINEの「DJ検定」アカウントを「友だち」に追加し、LINEから「5級受験を希望」と投稿すると、試験ページのURLが届く。
試験に回答して100点満点中80点以上なら合格となり、1週間以内にLINEで合否結果が届き、「合格証明書」画像が送付されてくるという流れだ。

より上級の受験は今のところ準備中。
ちなみに5級試験ページの「URL」や「問題内容」を外部に漏らす行為は禁止されている。

出典:一般社団法人 日本DJ協会
出典:一般社団法人 日本DJ協会

一体どんな問題が出るのか、見られないとなると余計気になってしまうもの。
そして5級を取得するとDJとして活躍できる機会が増えるのか?担当者に聞いてみた。

興味本位の受験こそが狙いだった

――そもそも日本DJ協会ってなにが目的なの?

日本DJ協会は、DJを含む音楽の普及実現を目指し様々な活動を行う任意団体です。
「DJって何をする人?」そんな疑問を取りのぞき、みんながDJを楽しむ世界になって欲しい。
それが私たち日本DJ協会の思いです。
以下をミッションとして掲げ活動しています。

1.「DJを100万人にする」
Create 1 million DJs in Japan
裾野を広げることで、DJへの理解の入り口を作り職業としてのDJの価値を高めたいと考えています。

2.「DJを学校教育に取り入れる」
Introduction of DJ to school education
音楽への取り組み方の有効な方法論としてDJの技術を普及することで、音楽教育の新しい形を提案します。

3.「DJを通して文化交流する」
Cultural exchange through DJ culture
プロからアマチュアまでを含めたDJプレイを通して国際交流の機会を創出します。


――なんで「DJ 検定」を始めたの?

当協会は、ミッションの一つである「DJを100万人にする」ことを目指しています。
もっとDJに興味を持ってもらう一環として「DJ検定」を開始しました。
DJに興味があるけど何から始めていいか分からない方でも、DJ検定をきっかけに少しでも多くの方にDJを始めていただきたいと思っています。
数年前までは、アナログレコードや高価なDJ機材がないとDJを始める事ができませんでしたが、最近では音楽データや、DJ機材、コントローラーなどの価格が安くなり気軽にDJが出来るようになりました。


――受験希望者が1000人以上が殺到したのは想定内?

想定していた以上の応募に驚いています。
DJに興味のある方がこれだけ多くいる事を身をもって感じ、とても嬉しく思っています。

――なぜ1000人以上集まったと思う?

DJに興味のある方が、実は日本に多くいたということだと思います。
今までありそうでなかったDJ検定という事もあり、興味本位で受験している方が多い印象です。
それこそがDJ検定5級の狙いでした。

WEBで簡易的に受験できるようにする事で、DJに興味がある皆さんに対して、DJに触れる良いきっかけ作りが出来たと思っています。

――どんな人が受験したの?

現状、高校生から60歳前後までと幅広く、男性が8割程で北海道から沖縄まで全国各地の方に受験して頂いております。

5級受験の傾向と対策は?

――5級ってどんな試験?どんな問題がでるの?

4択式で全20問です。
・DJは何をしているのか
・DJを始める上での共通言語、最低限の音楽知識、DJ機材の名前

上記2点を知ることができるような問題になっています。
DJ経験者であれば、答えられる問題がほとんどですが、DJに触れたことのない方にとってはDJについての理解を深めることができる為、DJ検定5級を通して是非DJについて知ってもらいたいです。

――「5級」に合格したらどんなメリットがあるの?

合格者へはDJ検定5級の合格認定証画像を送付しています。
今後はDJ検定5級の保持者向けに限定情報など、様々な特典を提供していく予定です。

4級以上は2020年春頃を予定

――無料のWeb受験となるとカンニングし放題では?

WEBで簡易的に受験できるようにする事で、DJに興味がある方々に対して、DJに触れるきっかけを与えられると思っています。
DJを始めるにはハードルが少々高くなってしまっている現状で、スマートフォンやPCで気軽にDJに触れる機会を作り、DJを知ってもらう。
それこそがDJ検定5級の目的です。
分からない問題などがあれば調べながら受験し、DJについて学んで頂きたいと思っています。

――「5級」合格者がたくさん出たらどうなる?

合格をきっかけに、今まで触れたことがなくてもDJを始める方が増えていくと考えます。
DJが増えることは 、DJシーンの活性化に繋がります。
スポーツに例えると、ゴルフなどを趣味としてやられている方が多いと思います。ゴルフはクラブやシューズなど様々な用品があり、レッスン場も多くあります。
DJの需要が高まれば、イベントや機材などDJに関連する仕事や環境が増えます
そうなることで、新たなDJ文化を創造していければと考えています。

――4級以上はどうなるの?

4級以降の検定は、2020年の春頃を予定しております。
最新情報については当協会ホームページをご確認ください。


いろいろ話を聞いてみると、残念ながら5級に合格すればプロDJになれるわけではなさそうだが、1000人が受験したということはそれだけDJに興味がある人が多いというのは間違いない。
これからどう展開していくのか、2020年4月予定の4級試験開設にも注目したい。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。