「このままではお近くの店を閉めることになります」と訴え

全国に500店舗を展開するステーキチェーン「いきなり!ステーキ」(2019年12月10日時点)。
ワイルドな牛肉の香りと口いっぱいに広がる肉汁が人気の店で、いま異変が起きている。

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東京都墨田区にあるいきなり!ステーキ(墨田太平店)の店頭には、「社長からのお願いでございます」という文字から始まる貼り紙があった。

社長からのお願いでございます
従業員、皆元気良く笑顔でお迎えいたします
いきなりステーキは日本初の格安高級牛肉の厚切りステーキを気軽に召しあがれる食文化を発明、大繁盛させて頂きました
今では店舗の急拡大により、いつでも、どこでもいきなりステーキを食べることができるようになりました
しかし、お客様のご来店が減少しております
このままではお近くの店を閉めることになります
従業員一同は明るく元気に頑張っております
お店も皆様のご希望にお応えしてほぼ全店を着席できるようにしました
メニューも定量化150g、200gからでも注文できオーダーカットも選べます
創業者一瀬邦夫からのお願いです
ぜひ皆様のご来店を心よりお待ちしております
(「いきなり!ステーキ」店頭の貼り紙より)

12月3日から全国の店舗に順次貼られているというこのメッセージ。

いきなり!ステーキに何が起きているのか?貼り紙を書いた社長自身を直撃した。

「ここが正念場」店舗同士の競合で売り上げは前年比4割減

ペッパーフードサービス 一瀬邦夫社長:
正しい「いきなり!ステーキ」の情報を知ってもらいたいという一心を込めました。お客さまの数が減っている傾向にある。「いきなり!ステーキ」立ち食いじゃないですよね、椅子ありますよね。椅子がないと思って来られないお客さまもいっぱいいるわけですよ。

2013年、立ち食いステーキで業界に殴り込んだ「いきなり!ステーキ」。
近年の肉ブームにも乗り、海外にも進出するなど急拡大し、2018年も新たに200店舗を開店する勢いだった。

しかし、店舗同士の競合などの影響で、この勢いはいきなりストップ。2019年10月の既存店の売り上げは、前年の同じ月から約4割もダウンした。

そうした危機感から社長が発信したのが、あの切実なメッセージだった。

ペッパーフードサービス 一瀬邦夫社長:
そんなに困ってるのかと、例えば思われたくないですよね。でも、それをあえてやったんですよね。ここが正念場だと思っていますので、大勢の方にあと1回来ていただけたら。最高のステーキをね、お肉を用意してますので、来てくれたらうれしいなと思います。

この貼り紙に対し、ネット上では「上から目線」との指摘も出るなど話題になったが、来店客からは次のような声が聞かれた。

男性A:
あんまり(社長が)訴えかけてるのって聞いたことないので、ある意味、新鮮かなって。

男性B:
ちょっと自虐的な感じもしますけど、いろいろ戦略としていいんじゃないのかなと思います。

社長直筆の切実な訴えは客足の回復に結びつくのか。

(「Live News it!」12月11日放送分より)

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