熊本地震をきっかけに移住し開店

熊本県の山奥にあるイタリアンレストランで味わえるジビエ料理を紹介する。

熊本・多良木町の中心部から、車で約30分。
つづら折りの峠道を超えると..、65世帯が暮らす槻木集落にたどり着く。

 
 
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訪ねたのは、集落でただ1つの飲食店「TSUKIGI×TABLE(ツキギテーブル)」。

 
 

店主の遠藤眞一郎さん(35)と妻の知世さん。
熊本地震をきっかけに移住し、2017年秋にこの店を開いた。

 
 

朝一番、たくさんの野菜を抱えて、地元のおばあちゃんがやってきた。
自家製野菜のおすそわけ。

遠藤眞一郎さん:
(野菜を)家に持ってきてくださったり、(娘の)和(にこ)を見に持ってきてくれたりとか。
うちの前に畑があるが、そこは藤子さんが、いろいろ植えてくださっていて

 
 

集落の住民・黒木藤子さん(84):
少しでもためになれば。町まで行かないと野菜を売っていないから、ここは

「おいしい食材を料理に使えるのは幸せなこと」

以前は、熊本市内で飲食店を営んでいた遠藤さん。
かねてから山里での暮らしに憧れていたそうだが、「なぜこの場所に店を?」と、よく尋ねられるという。

遠藤眞一郎さん:
すごくいい立地条件だと思う。水がおいしいというのと、空気がおいしい。食材も山の中にあるし、元々の味がすごくおいしくて、それを料理に使えるのは幸せなことなので。都会で仕入れようと思えば、すごくお金がかかるが、(槻木では)ほとんどタダで食材が手に入るので、そんなに高くなくても(料理が)提供できる

 
 

そう話す通り、食材は、ほぼ全てが地元産。
ランチは、「パスタ」か「ジビエ」、2種類のコースから選べる。

 
 

ジビエコースのパスタには、赤ワインで煮込んだシカ肉と、シシ肉の自家製ベーコンが入っている。

来店客:
ものすごく柔らかくて、シカの味がちゃんとしているが、臭くない。おいしい

 
 

メインは、シシ肉のグリル!
三つ葉のソース、それに地元のハチミツをつけていただく。(メニューは日替わり)

 
 

テレビ熊本 寺田菜々海アナウンサー:
ジビエというと、独特のにおいというか、臭みがあるのかと思っていましたが、全くないですね。これは、すごくうまみが深い気がします

 
 

深刻化する獣害の一方シカやイノシシをおいしく調理

山々に囲まれた槻木集落。過疎・高齢化で、山を守る担い手が減っている。
シカやイノシシによる獣害が深刻化しているが、遠藤さんは、それらをおいしいイタリアンに変身させている

遠藤眞一郎さん:
いたずらに取るのではなく、自分たちが必要な分だったり、被害を抑える最小限の分だったりと。生き物なので、自分たちもそれをいただいて生きているという思いで、すごく大事に使わせてもらっている

 
 

山里の恵みが詰まった「TSUKIGI×TABLE」のジビエ・イタリアン。
大自然の中で、隠れ家気分を味わってみてはいかが。


「TSUKIGI×TABLE」 TEL:080ー1788ー8932
※予約がないときは山仕事に出てお店を閉めるため予約制。

(テレビ熊本)

 
テレビ熊本
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