アプリ登録して使った時間だけ料金支払い

フィットネスもシェアする時代…忙しくて定期的には通えないけど、いろいろやってみたいという人におすすめのサービスが始まっている。

東京・赤坂にあるフィットネスクラブ「スポーツクラブNAS赤坂」を利用する男性。実はこのクラブの会員ではないと言う。

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彼が使っているのはフィットネスクラブを手軽に使えるサービス「Nupp1Fit(ナップワンフィット)」。

Nupp1Fitの利用者(34)
行きたい時だけ行ってそんなに高くない…

アプリで会員登録すると、提携先のスポーツクラブの施設を入会金や月会費なしで利用できる仕組みで、利用先でQRコードを読み取った瞬間から料金が発生する。従量課金方式で1分15円から。予約もいらない。

「Nupp1Fit」
「Nupp1Fit」

「Nupp1Fit」を利用するこちらの男性も、以前は別のスポーツクラブの会員だったという。

Nupp1Fitの利用者(34):
行ってお金を払うのはわかるが、月額払って全然行かない月があるから、だったらアプリを入れるのはすぐなので、ちょっと空いた時間で近くのところに行けるので、すごく楽

Nupp1Fitの利用者(34)
Nupp1Fitの利用者(34)

ちなみに「スポーツクラブNAS赤坂」の利用料は1分35円。この日、男性の利用は49分で1715円と、使った分だけの利用料金になる。

Nupp1Fitの利用者(34):
本当は1時間やろうと思ったけど、途中で疲れたんで...でもやめたい時にやめられるのはいい

クライミングジムやボクシングなど58の施設で利用可能

さらに利用者は、提携先のスポーツクラブならどこでも行けるため、気分転換に違ったトレーニングを楽しむことも可能。

現在、「Nupp1Fit」は、クライミングジムボクシングなど58の施設で利用が可能だ。

一方、スポーツクラブ側にもメリットがある。利用料の7割が入る仕組みで、月額会員以外の売り上げアップが期待できるほか、意外なニーズもあるという。

スポーツクラブNAS赤坂・溝呂木雅之支配人:
海外からのお客様も多く、ホテルの宿泊客から『利用できるジムはないのか』と問い合わせを受けることも多い状況ですので。そういった所をもう少しNupp1Fitとの連携ができたらなと思っております

スポーツクラブNAS赤坂・溝呂木雅之支配人
スポーツクラブNAS赤坂・溝呂木雅之支配人

提携しているスポーツクラブの中には、月額会員が優先のため利用時間が限られるところもあるというが、それでも隙間時間を埋めることができるためメリットは多い。

「Nupp1Fit」を運営する会社側は…

ロセオ・柿花隆幸社長:
1分の最少管理からすると、ユーザーがいつ来るかわからない。売り上げも読めないというところで、企業側がなかなか手を出せなかったところかなと思っています。そこに私たちがサードパーティーとして入ることで、日本中のお客様にフィットネスクラブを使っていただきたい

ロセオ・柿花隆幸社長
ロセオ・柿花隆幸社長

本質的な消費者の価値をどれだけ作れるか

Live News αのスタジオでは、株式会社刀の代表取締役CEOでUSJをV字回復させたマーケターの森岡毅さんに話を聞いた。

三田友梨佳キャスター:
森岡さんはどうご覧になりますか?

(株)刀 代表取締役CEO・森岡毅氏:
シェアリングエコノミー自体はすごく大きな可能性を感じていて。またフィットネスの隙間時間、いわゆる遊休資産を人とマッチングさせるアイディアは面白いと思っています

三田友梨佳キャスター:
今後さらに広がっていくための課題は何がありますか?

(株)刀 代表取締役CEO・森岡毅氏:
これは本質的な消費者の価値をどれだけ作れるかということで、もし隙間時間を安く売るということだけだったら業界の客単価が下がるだけで終わってしまう。これは価値が顕著に増えなければ客単価は伸びていかない。いかに本質的な消費者の価値を見いだしてシェアリングサービスが生み出した可能性を消費者が実感できる新たな付加価値に替えていくかということが問われていると思います

三田友梨佳キャスター:
本質的な消費者の価値とはどんなことなんでしょう?

(株)刀 代表取締役CEO・森岡毅氏:
例えば体験であり、体験を通した感動であり、それを選ぶときの便利さ=簡便性自体が大きな価値で、安さ自体は実は価値ではないんです。人は安いものを買いたいとは思うんですけれど、だからと言って安いから買っているわけではなくて、価値があるからそれを安く買おうとしているだけ。価値がないと買わない。価値が増えないと業界は大きくならないので、消費者の価値を増やすためにこの技術を活かして頂きたいと思います

三田友梨佳キャスター:
今回で言うと(普通のフィットネスだけでなく)スポーツクライミングやボクシングも利用できるのは新たな価値と言えそうですね。ライフスタイルが多様化する中、フィットネス業界もいろいろな形が増えていきそうです

(「Live News α」12月5日放送分)