普及進む「液体ミルク」に新アイテム
11月29日から、一部ベビー用品店などで販売が始まった新商品…乳児用液体ミルクの紙パックに直接取りつける乳首だ。
この記事の画像(8枚)液体ミルクは、2016年に発生した熊本地震の際、フィンランドから支援物資として贈られたことがきっかけで注目されたが、日本では液体ミルクに関するはっきりした規格がなく、長く製造・販売ができない状態が続いていた。
しかし、国内での販売を求める声の高まりにより、2019年3月より国内での製造・販売が開始されていた。
東京ディズニーリゾートでは、パーク内3ヵ所のベビーセンターで液体ミルクを販売。また、大手スーパーのイオンや一部の“駅ナカ”などでも販売されているなど、現在、様々な場所で購入できるようになった液体ミルク。
さらに、NEXCO西日本管内では11月27日現在、101ヵ所のサービスエリアやパーキングエリアで液体ミルクを販売中。北海道北部にある「道の駅北オホーツク はまとんべつ」には液体ミルクの自動販売機も設置されているなど、普及が進んでいるのだ。
災害時の利用も…「移し替えなし」で広がる可能性
粉ミルクをお湯で溶かしたり、赤ちゃんが飲むのにちょうどいい温度まで冷ましたりする“調乳”の必要がない液体ミルクだが、これまでは中身を消毒した哺乳瓶に移し替える必要があった。
しかし、29日発売された新商品は、ストロー口にノズルを差し込み、紙パックに固定するだけでパック自体が哺乳瓶となり、赤ちゃんが直接飲むことができるのだ。
新商品の体験会に参加した母親:
『(災害時に)哺乳瓶はどうしよう』と思っていて…消毒できないし。(新商品は)哺乳瓶にいちいち入れる手間がないのですごく楽です
さらに、液体ミルクを簡単に飲むための商品は、他のメーカーでも開発が進められている。
明治 栄養マーケティング一部・田中伸一郎さん:
災害時などに、赤ちゃんに確実に、そして便利に液体ミルクを与えることができるように、専用のアタッチメントを開発いたしました
今年、各地で相次いだ台風被害…これらの商品の登場により、災害時に液体ミルクを活用する可能性を広げることも期待されているのだ。
Live News it!のスタジオでは、ダイバーシティ(多様性)にいち早く注目するイー・ウーマン社長の佐々木かをりさんに話を聞いた。
加藤綾子キャスター:
現在では自治体が災害用の備蓄を進めているんです。これって、とても画期的なことだと思うんですが、どうですか?
佐々木かをり氏:
私、子どもを2人とも母乳と粉ミルクで育てましたが、60度のお湯で溶かなきゃいけないのが外出するときとても大変だったので、災害用だけでなくて、働くお母さんやいろんな人にとって日常的にとっても必要なんじゃないかと思います
フジテレビ・風間晋解説委員:
ぜひ災害用に備蓄して毎日使ってほしいなと思いますね
取り付けタイプの乳首の商品化で、さらに身近になる液体ミルク。想定を超える自然災害が続く今、我々の暮らしを守る新しい味方になりそうだ。
(「Live News it!」11月29日放送分より)