“朝蜘蛛を見る”や“茶柱が立つ”など、日本には縁起がいいと呼ばれる吉兆がたくさんある。ちょっとしたことだが幸せな気分にさせてくれることもあり、縁起を気にする人も多いかもしれない。
そのような中、Twitterに投稿された、なんだか縁起のいい昆布が話題となっている。
細切り昆布、お湯に入れたらまさかの形状で笑った pic.twitter.com/MFjSiId9l1— かずは???????????? (@osake1st) November 23, 2019
細切り昆布、お湯に入れたらまさかの形状で笑った
Twitterに投稿されたのは、出汁に沈む昆布。しかし、その形はなんと2019年5月からの新元号「令和」の文字となっているのだ。
Twitterでは「ま‥‥‥まさかの【令和】‥!! すごい!!」「これ凄いです!外国への手土産に最適!!」などの驚きの声があり、約1万7千件のリツイート、約7万4千件のいいねがつくなど大きな反響となっている。(12月4日現在)
もちろんこの形が偶然できたのではなく、出汁と細切り昆布がセットとなった「DASHI CUP(令和昆布入)」という商品。「関西おだし専門店だし蔵」(大阪)という店舗が、今年4月27日から販売している。
知っていても何だか縁起がいいし、知らないでお湯を注いだらちょっとしたサプライズになるし、ギフトにも向いているだろう。
「令和」は、2019ユーキャン新語・流行語大賞のトップ10に選出されるなど、話題性は確かにある。でも、なぜこのような商品を作ろうと思ったのだろうか? そして、どうやって作っているのか?
関西おだし専門店だし蔵の担当者にお話を聞いた。
4月1日の新元号発表直後から製造できるように準備
ーーなぜ作ろうと思った?
お祝いムードの改元なのでそのムードを更に盛り上げる商品を作ろうと思いました。
ーーアイデアはどこから?
元々飲用として、おだしのティーバッグを販売しており、そこに令和の文字が浮かんでいたら楽しいだろうと思いました。
ーー誰のアイデア?
商品開発チームは、女性目線を大切にしており、この商品も女性スタッフ中心に企画されました。
ーー発売が改元直前だったが、元号発表前から考えていた?
4月1日の元号発表と同時に、製造スタートできるように段取りをしていました。
ーーどうやって作るの?
レーザーを使ってデザイン通りに昆布をカットし、乾燥させて縮ませています。
ーー制作時の苦労は?
元号発表から改元までの1か月で仕上げるために、時間的節約には苦労しました。
ーー 一時はネットで売り切れだったようだが、現在も販売している?
通販では若干数入荷しましたので現在は売り切れという状態ではありません。“令和初”の年末年始が近づいて一気に需要が伸びたように思います。
また、店舗では今でも通常通り販売しています。
ーーこの他に新商品の予定もある?
何が出るかお楽しみの“おみくじ”図柄やインバウンド客にも喜んでもらえるような和物図柄の新商品を年末年始販売に向け準備中です。
レーザーでカットをすることから細い文字には苦労
ーー購入した人は日本人がほとんど?
大阪市内の阪急三番街店では海外からのお客様にも好評でした。
ーーお客の反応は?
普段、おだしパックを手に取らないであろう年代の、特に女性に大好評いただきました。
ーー他の文字のバージョンもある?
ホワイトデー、母の日では「ありがとう」の文字、ハロウィーンでは「おばけ」「魔女」「かぼちゃ」「洋館」「コウモリ」の絵を型取った昆布を作りました。また、父の日は「THANKS PAPA」という文字をつくりました。
ーーどういう文字が作るのが難しい?
鋭い刃物で切るのとは違い、ある程度太さがあるレーザー光でカットするため、細かい部分の再現には苦労します。
ーー次の元号でもやる予定はある?
元号に限らず、世の中が楽しくお祝いできる事柄については、その雰囲気を盛り上げられる商品を創りたいと思います。
ーー反響はあった?
インスタグラムのフォロワーが1ケタ増えました。
「令和元年」も残り1カ月を切った。「即位礼正殿の儀」や「祝賀御列の儀」などの感動を振り返りながら、この「DASHI CUP」を味わうのもいいかもしれない。