「夫は外、妻は家庭」はもう古い?「子供ができても仕事続ける」初の6割超

カテゴリ:国内

  • 政府の調査で「子どもができても職業を続ける」が初めて6割超
  • 「夫は外で働き、妻は家庭を守る」は過去最少の35%
  • 育児を「配偶者と半分ずつ分担したい」と思う人は6割前後 若い人ほど多い

「子供が出来ても、働き続けたい。」令和の今、こうした考え方が主流になりつつある。こうしたことをデータで語る、興味深い世論調査が公開された。

【「子供ができても職業を続ける」6割超】
内閣府は15日、「男女共同参画社会に関する世論調査」を発表した。
調査では、女性が職業を持つことへの意識について、「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた人が61%だった。
2016年の前回から6.8ポイント上昇し、1992年の調査開始以降、初めて6割を超えた

1992年の調査では、「子供ができたら職業を辞め、大きくなったら再び職業を持つ方がよい」と答えた人が42.7%で一番多かった。また、職業を続ける時期について、「結婚するまで」、「子供ができるまで」と答えた人も、合計で25%近かった。
当時、出産しても仕事を続けるべきだと考える人は多くはなかった。(23.4%)

今回の調査を男女別にみても、「子供ができても、ずっと職業を続ける方がよい」と答えた人の割合は、女性がやや多いものの、それほど大きな違いは見られなかった。(女性63.8%、男性58.4%)男女ともに主流の考え方となりつつあることが数字で見て取れる。

政府は、今回の調査結果をもとに、子どもができても働き続けたいと思っている人が働き続けられるように、男性の育休取得促進などの両立支援策を充実させていくことにしている。

「夫は外で働き、妻は家庭を守る」は過去最少

もう一つ、時代の変化を感じる調査結果がある。
性別の役割分担について問う質問で、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に賛成する人は35.0%で過去最少となった(「賛成」、「どちらかといえば賛成」の合計)。
1992年の調査では、60.1%もの人が賛成と答えていた。

また、男女別にみても、今回の調査では、ほとんど同じ割合となっている。

「夫は外、妻は家庭」という考え方に反対する理由として「固定的な夫と妻の役割分担を押し付けるべきでない」という回答が過半数を超えた。
逆に、賛成する理由として過半数が挙げたのは「妻が家庭を守った方が、子供の成長などにとって良いと思う」というものであった。

「夫は外、妻は家庭」という考え方はもはや“古い”とも言える調査結果となった。
90年代には。こうした考え方が主流となっていたことから、この25年間で人々の意識が大きく変わってきたことがうかがえる。何となくそのように感じていた人もいると思うが、こうしてデータで裏付けられた形だ。

若い世代ほど育児は「半々」で?

夫婦共働きとなった場合、育児を「配偶者と半分ずつ分担したい」と思う人は6割前後という結果であった。
共働き以外の人を見ると、女性では「自分が多く分担したい」と思う人が多いが、男性は「配偶者(妻)に多く分担してほしい」と思う人が多かった。さもありなん、だろうか。

しかし、年齢別でみると、若い世代ほど「配偶者と半分ずつ分担したい」と思う人が多く18~29歳では7割を超える
内閣府の担当者は「時代背景によって考え方が変わってきているのか。若い世代ほど『半分ずつ分担したい』と言い切れるか。さらに定点観測をして研究したい」としている。

仕事と育児 どう両立させる?

さて、実際に働きながら配偶者と育児を分担する場合、仕事と育児をどう両立させるのか。
ベビーシッターや家事代行サービスなどを利用する方法もあるが、一方で、育児は家庭の中で行いたいという人も一定数いるだろう。

実態を把握するため、内閣府は初めて「育児で『外部サービス』を使いたいか」を問う調査を行った。すると、男女問わず6割近くの人が「外部サービスを利用せずに育児したい」と回答した(総数では57.8%)。


この結果の受け取り方は様々あると思うが、一つにはベビーシッター等の利用料金が高く、利用しにくいことが挙げられるだろう。
今年10月からの幼児教育・保育無償化に伴い、認定を受けたベビーシッターについても無償化の対象となったが、政府関係者は「外部サービスの敷居が下がり、利用しやすくなるよう、補助の在り方を検討していきたい」と述べている。

「DV=暴力」の認知度上昇

政府は、11月の「女性に対する暴力をなくす運動」にちなみ、今回の調査にあわせて、「どのような暴力に最も対策が必要と考えるか」と質問した。
前回調査では、トップ2が
① 子供への性的な暴力(児童買春、虐待等)
② 配偶者や交際相手などからの暴力(DV=ドメスティック・バイオレンス)
の順だったが、今年は逆転し、男女ともにDVへの対策が必要との回答が一番だった

こうして順序が“逆転”した理由について、内閣府の担当者は「事件報道などを通してDVに対する世間の意識が変わり、これまで潜在化していたDVが『暴力』として認識されるようになったあらわれではないか」とみている。

船戸結愛ちゃん

東京・目黒区で、両親から虐待を受けていた5歳の女の子、船戸結愛ちゃんが死亡した事件が記憶に新しいと思うが、これは妻が夫からDVを受けている中での“虐待死”だった。
内閣府の男女共同参画局によると「DVが起きている家庭では、子供に対する暴力が同時に行われている場合が往々にしてある」が、こうしたことに対する理解が深まってきたことが要因の一つと言えるだろう。児童虐待とDV防止の両面で、更に理解が進むことが求められると思う。

“世論調査”というと、堅苦しいイメージを持つ方もいるかと思うが、こうして人々の考え方の変化、時代の移り変わりなどがわかる、意外と考えさせられるようなデータが目白押しだ。各府省庁のホームページで公開されているものも多く、ぜひ一度興味を持って、見てもらえればと思う。

(フジテレビ政治部 首相官邸担当 山田勇)

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