11月19日は「1年に1度はびちく(19=いちく)」として、東京都で「備蓄の日」と制定されている。

備蓄とは、災害時に生活していくための食料と生活必需品のことだが、街のみなさんの備蓄に対する意識はどうなのか?

「自分と家族全員の分はしっかり。やっておいて損はないかなって」「食べ物はだいたい3人で食べて3日分。自信あります」との声が聞かれ、都内男女117人を対象に行ったアンケートでは、今年の台風などの災害で、8割の人が備蓄に対する意識・関心が高まったと回答した。

また、農林水産省のホームページでは、2019年8月から食品ストックのコツなど、
家庭備蓄に関して解説する動画を公開。

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今回の「ココ調」は、一般家庭の災害時への備えをチェックし、長期保存ができる最新保存食を紹介。日用品から食料品まで、災害に対して何を備えるべきかを調査する。

水はサイズによって飲料・調理で使い分ける

家族4人で暮らす兵藤さんは、備蓄について次のように話す。

兵藤さん:
自分の家の前も川があるので、この間(台風19号)の水害の件でもちょっと怖いなって。みんな並んでるし(備蓄品を)いっぱい買ってるなって、カゴを見ながらうちも…という感じで。

そことで後日、兵藤さんのご自宅に伺い、防災アドバイザーの岡部梨恵子さん立ち会いのもと、災害時への備えを見せていただくことに。
玄関にある収納スペースには、食料や水、生活用品など、家族4人分3日間を想定した備えがしっかりと準備されていた。

まず、アドバイザーが注目したのは水。

防災アドバイザー 岡部梨恵子さん:
2Lがありながら、500mlもあるんですね?500mlは使い勝手がよくて、すぐに飲めるじゃないですか。

備えるペットボトルの大きさも重要で、水の量が多いと使い切るまでに時間がかかり、口をつけてしまうと雑菌などが増え、不衛生になってしまう。そのため、飲料用には飲みきりサイズの500ml、2Lは口をつけずに調理用などに使い分けることで衛生的だという。

続いてポイントが高いのが、みかんの缶詰。

防災アドバイザー 岡部梨恵子さん:
被災した時には、野菜が届かない、果物が届かない、そしてフルーツも届かないんですよ。その時に一番喜ばれたのが、みかん(の缶詰)です。

常温でもさっぱりとした甘さで食べられるみかんの缶詰は、被災時のビタミン補給にもなるという。

5年保存のゼリーにパン 吉野家の缶詰も登場

実際に、長期化する避難所生活では、ストレスによる食欲不振や栄養バランスの崩れが大きな問題となっている。そんな中、進化した最新の保存食が続々と登場。

2019年9月に発売されたゼリータイプの保存食「LIFE STOCK」は、世界初の保存技術を開発し、常温で5年半の長期保存に成功。さまざまな味が楽しめ、子供も喜ぶ一品となっている。(バランスタイプ30g 税別168円、エナジータイプ100g 税別298円)

横山ルリカ リポーター:
ジュースとゼリーの間のような、とろみのある感じ。これだったら、小さいお子さんも高齢者の方も喉に詰まらせることなく食べられそうです。

さらに、牛丼チェーンの吉野家は2019年5月に「吉野家缶飯」を発売。保存期間は3年で、牛丼はもちろんのこと、やきとり丼など6種類の味が楽しめる。(6種6缶セット 税別4500円)

そして、2019年11月発売したパンの保存食「PAN de BAR」は、これ1つで500カロリーを摂取でき、しっとりとした食感に仕上がっている。(20個入り 税別9600円、保存期間5年)

保冷剤は停電時に活躍 食材の冷凍保存も重要

続いては、夫婦2人で暮らす中村さんのお宅へ。

中村さんは、水やペットフードのほか、非常用持ち出し袋の中には、カンパン・簡易トイレ・雨具などの生活用品を多く備えている。中でも防災アドバイザーが注目したのは、給水バッグだ。

防災アドバイザー 岡部梨恵子さん:
水を入れて持つと本当に重いですよね。(給水所に)取りに行って戻ってきて、そしてここの建物に着いてから階段を上るってことをやられたことはありますか?

中村さん:
ないです。

そんなご年配の方にもおすすめのアイテムがこちら。「非常用広口給水袋6L」は、リュックタイプの給水バッグになっていて、両手を自由に使うことができ、安全をより確保することができる。

さらに、災害への備えは冷蔵庫にも。

防災アドバイザー 岡部梨恵子さん:
保冷剤がこれだけたくさん入っているのはいいことですよ。クーラーボックスの役目になるんですね。

保冷剤も立派な備えのひとつ。 また、水を入れた2Lペットボトルを冷凍庫に入れておけば、特大サイズの保冷剤を作ることもできる。さらに、保冷材の活用法は他にも…

防災アドバイザー 岡部梨恵子さん:
冷蔵庫の上段に置いていただければ、冷気は上から下に降りますので、氷冷蔵庫として機能するんです。

凍ったペットボトルや保冷剤を冷蔵庫の上の方に置くことで、停電が発生しても冷蔵庫の中を冷やすことが可能。この時、特に冷やしておきたいものは下の方へ置くことが重要だ。

さらに、中村さんは余った野菜や油揚げなどをカットして冷凍保存している。これも重要な備えポイント。

防災アドバイザー 岡部梨恵子さん:
そのまま料理に使えるじゃないですか。水が断水していたりすると、洗えなかったりしますよね。でもこれは、もう洗って湯がいてカットしているので、調理時間も短いし、鍋とかに入れていただいてボイルすることで、あっという間にできますから。

日ごろから食材をカットし冷凍保存することで、被災時の食事に有効活用することができる。

クッキングペーパーで断水時も衛生的に調理

3人目は、息子さん夫婦と5人で暮らす森さん。災害用品を備えているという場所へ案内していただくと、階段の下にたくさん積まれている水を発見。すると、さっそくアドバイザーからアドバイスが…

防災アドバイザー 岡部梨恵子さん:
賞味期限がわかるように箱に書いてありますね。赤ペンで書いてあって見やすい。これはすごく大切なことです。

簡易トイレや防災用の手袋なども備蓄されていて、かなり災害に対する意識が高い森さん。そんな中、特に注目したのが・・・

防災アドバイザー 岡部梨恵子さん:
クッキングペーパーもありますね。これは意図的に用意しましたか?

森さん:
いえいえ、これは息子がパンを焼くから…

息子さんのパン作り用に偶然置いてあったクッキングペーパーだが、災害時にも役立つという。クッキングペーパーは、まな板の代用品として使用可能。使用後にまな板を水で洗う必要がないので、断水時でも衛生的に安心して調理することができる。

今回の調査では、都内男女117人の8割が備蓄への意識や関心が高まっていると回答し、備えているものとしては、水、乾パン・缶詰、レトルト食品の順に多いことがわかった。家族構成によって必要なものや数量は変わってくるため、みなさんも自宅の備蓄品を見直してみてほしい。

(「めざましテレビ」『ココ調』11月19日放送分より)

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