仮置き場でない公園に大量の災害ごみが

ごみ収集車に次々と運び込まれていくスキー板や子供用の一輪車。
中には大型のベッドや自転車まで。

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ここは仙台市太白区郡山の「谷地田東公園」。
仙台市が指定した災害ごみの仮置き場ではない。

10月、台風19号により近くを流れる旧笊川が氾濫。町内会によると、約60世帯が浸水被害にあったという。

仙台市は使えなくなった家財を無料で回収するとし、軒先に出しておくよう求めていた。
しかし、量が多かったためか、一部の住民が無断で公園を災害ごみ置き場に…

一時、遊具が見えなくなるほど山積みされていたが、ようやく、撤去が始まった。

ところが、一見して泥水は被っていない旧式のブラウン管テレビや大型の冷蔵庫も公園の前に出されて放置されている。

太白環境事業所 東海香所長:
確かに災害を受けて出たごみだと思うが、仙台市で処理する災害ごみとしては冷蔵庫も洗濯機も工場で処理できません。家電リサイクル法にのっとって処理することになる

「家電リサイクル法」ではテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンは、消費者本人がリサイクル料金を払って、小売店などに引き取ってもらわなければならない。仙台市は対象の家電については、あくまで「個人の責任と負担」で処理するよう求めている。

これに対し、北目町内会の村上征一南区長は「公園として使えない。置いておくと、また、誰かがごみを持って来る」と話す。

被災した地区の外から持ち込まれたものや、誰が捨てたか分からないごみも多いため、「公費」でなければ処理は難しいという。

北目町内会 村上征一南区長:
法律は曲げられないと言われれば、ごもっともだとは思いますけどね…

一方、台風19号で被害を受けた自治体の中には、災害ごみとしてテレビや洗濯機なども受け入れているところもある。ある自治体の担当者は被災者の負担を考えると、「代わりに処理せざるをえない」と話す。

自治体の担当者:
正直な話、その場で断れない。少しでも被災者の負担を緩和してあげないと…

仙台市は、すでに自己負担で家電を処理した人もいるため、不公平感を与えないよう、公費での負担については、慎重に検討したいとしている。

太白環境事業所 東海香所長:
本来であれば収集も処理もできない物なので困っています

公園の家電は12日、環境事業所の敷地内に仮置きされたが、処理の方針はまだ決まっていない。

(仙台放送)

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