光り輝いて空を横切る「大火球」が美しい…でもなぜ光る? 専門家に聞いてみた

カテゴリ:国内

  • 12日に静岡県で大火球を観測
  • 「大火球」はとても明るい流れ星だが厳密な定義はない
  • 他にも空で見られる発光現象を聞いた

日が暮れるのが早くなった今日この頃。

夜の時間が長い秋は天体観測に向くとも言われていることから、夜空を見上げる機会が増えた人もいるかもしれない。

そのような中、11月12日に観測された珍しい天文現象が、Twitterで約7万以上のいいねを集める話題になっている。



これは神奈川県の平塚市博物館でプラネタリウムの解説もしている学芸員・藤井大地さん(@dfuji1)が静岡県富士市で撮影したもの。

画面右上から中央下に向かって飛んでいく緑色の発光物体は「大火球(だいかきゅう)」というそうだ。

急に空からこんな光の玉が飛んでいたら、ビックリしてしまうかもしれない。しかし落ち着いて見れば、この現象はとても美しい。でも、これって簡単に見られるのだろうか?

そして「大火球」とは一体何なのか? 藤井さんに聞いてみた。

「大火球」に厳格な決まりはありません

――そもそも「火球」ってなに?

簡単に言うと、地上から見える惑星よりも明るい流れ星のことです。

詳しく言うと「火球」はマイナス4等星以上に明るい流れ星です。星の明るさは「等級」で表し、暗くなるほど数字が大きくなります。

距離が変わると見かけの明るさが変わるので、その流れ星が地上から100km離れた真上の方向に流れたと置き換えたときに、マイナス4等星以上に明るいものを「火球」と呼んでいます。

惑星の等級は季節などによっても変化する。国立天文台のHPによると11月の火星の等級は1.8から1.7、水星は0.2からマイナス0.6、金星はマイナス3.9、土星は0.6。木星は高度が低く観測は難しいという。


――では「大火球」ってなに?

非常に明るい火球を「大火球」と呼んでいます。厳密な決まりはありません。

――なぜ「火球」は光るの?

よく「大気との摩擦で光る」と表現されていますが実は違います。

流れ星は秒速11km~72kmという速度で降ってくるので、地球の大気を一瞬で押し縮めます。すると空気が数千℃という高温になり、赤外線などの光が出ます。

その光で流れ星が“あぶられる”ことで数千℃になり、砕け散ってプラズマという状態になります。そのプラズマの光が私たちの目に届くのです。

――流れ星の「明るい」「暗い」はなにが違う?

物のエネルギーは「質量」と「速度」の二乗で決まります。

ですので流れ星の光の強弱は、流れ星が「大きい」つまり重たいかどうか速度が「速い」かどうかで変わります。

今回の火球はそれほど速くないので、粒が大きかったのかもしれません。ただ、大きいと言っても数ミリから数センチ程度だと思います。

普通の流れ星は、数ミリメートルだとか数マイクロメートルだとか、もっと小さくなります。

――「火球」は緑色に光るものなの?

流れ星の光はプラズマの光だと申し上げましたが、これは太陽の光とは違います。太陽の光は、雨が降った後にできる虹のように、全部の色が含まれていますが、流星の光はある色の波長だけなんです。

それがどの波長になるかは、大気中の組成流れ星の粒に含まれる組成で決まり、それによって緑・黄・白・赤などいろいろな色に光ります。

――今回の「大火球」は珍しい?

1年に何個か見られるレベルですね

マイナス4等星以上の「火球」はけっこうあり、一晩のうちに全国のどこかでは必ず流れているはずです。

他にも様々な発光現象がある

藤井さんはTwitterにたくさんの「火球」の映像を投稿しており、今回の「大火球」から2日後の14日にも「火球」を観測していた。



さらに過去には、「スプライト」という、落雷と同時に上空からさらに上空に向かって放電する現象や、「エルブス」という高い空で起きる高高度発光の映像も投稿。

これらがどうして光っているかは、まだ明らかになっていないそうだ。





――これらの発光現象より今回の「大火球」は珍しいの?

どれが珍しいかは分かりません(笑)。

12月14日に大火球が見られるかも?

――「火球」や「大火球」はどうすれば見られるの?

流星群の時期の方が見られるチャンスは高くなります。

しぶんぎ座流星群(1月)、ペルセウス座流星群(7~8月)、ふたご座流星群(12月)、この3大流星群の時は特に流れ星の数が多くなるので、明るい流れ星も見やすいチャンスです。

次にくるのは12月14日の「ふたご座流星群」ですね。

――ちなみに「UFO」は見たことはある?

見たことないですね(笑)。
私は10年間ぐらい、空になにか動きがあったらその動画を保存するということをやっていますがまだ撮影できていません。


毎日、日本のどこかで「火球」が現れているとは、なんとも驚きの事実だった。
藤井さんおすすめの「ふたご座流星群」の夜空を見上げたら、皆さんも「大火球」を目撃できるかもしれない。