動物たちは、ときおり思いがけない姿を私達に見せてくれる。

以前編集部でも、四角いクッションにみえる猫や、ゴリラのようなカラスを紹介した。
(参考記事:「猫はソファーで“クッション”になる!? まさかの四角い体勢に大反響…そのナゾを解いてみた」)
カラスの“不思議な体勢”動画が話題…足が隠れてるとしてもこんなに長い?専門家に聞いてみた

そのような中、また新たな姿を見せてくれる動物が確認された。


まん丸のスバールバルライチョウ。二番煎じかな。

という一言ともに、体を丸めているスバールバルライチョウの画像を投稿したのは
「東京動物園協会教育普及センター」(@TZPS_EduCenter)だ。こちらのアカウントでは、都内の動物園や水族館の生き物を紹介している。

この投稿には、ユーザーから「この丸さに惚れた」「真ん丸さだけではなく、もふもふ具合いもたまりせんね。」「豆大福に見えました。ごめんなさいね」などの声があり、大きな反響となっているのだ。(11月26日現在)

スバールバルライチョウのまん丸な形と、白い羽毛の中にかすかに残る茶色い羽毛の風合いで、たしかに豆大福に見えなくもない。


こちらが本物の「豆大福」
こちらが本物の「豆大福」
この記事の画像(6枚)

でも、この体勢って一体どんな状況だったのだろうか? 撮影した東京動物園協会教育普及センターに話を聞いた。

まん丸に偶然見える角度で撮影に成功


――どんな状況で撮影した?

上野動物園に行ったときにスバールバルライチョウを見つけて、丸くなっていたスバールバルライチョウが通りがかりにじっとしていたので数回シャッターを押して離れました。


――どれくらいの時間この体勢を続けていた?

シャッターを切ってすぐにその場から移動したので分かりません。


――なぜライチョウが豆大福のように見える?

正面からの画像が丸く見えるだけで球体をしているわけではありません。偶然丸く見えるように映っただけだと思います。


上野動物園で飼育されているスバールバルライチョウ 「(公財)東京動物園協会提供」
上野動物園で飼育されているスバールバルライチョウ 「(公財)東京動物園協会提供」


球体に見えるのは偶然の産物だということは分かった。でも、そもそもライチョウはなぜ丸くなるのだろうか。ライチョウを飼育する上野動物園の担当者にも話を聞いた。

ライチョウが丸くなるのは保温性を高めるため


――鳥の種類・名前・年齢を教えて

スバールバルライチョウという種類で年齢は7歳です。愛称はないです。


――羽はどうなっている?

羽は2枚構造のものもあります。羽の構造のために丸く見えるわけではありません。


――丸くなるのはどのような理由から?

保温性を高めるために全身の羽を丸めて皮膚を逆立てます。 ライチョウ以外にも見られる行動です。

――白と茶色の羽があるように見えるけど換羽期はいつ?

夏、秋、冬と季節ごとに3回それぞれ換羽します。羽の色も季節によって変化します。


夏の時期のスバールバルライチョウ 「(公財)東京動物園協会提供」
夏の時期のスバールバルライチョウ 「(公財)東京動物園協会提供」


――丸くなるのはこの1羽だけ?

他の個体も羽を丸くする行為を行います。


――上野動物園では何羽飼育している?

上野動物園で現在5羽飼育しています。


――反響はあった?

「ツイッターで見ました」と担当が来園者からコメントをいただきました。ただ、上野動物園公式ツイートでも紹介してスバールバルライチョウの豆大福が人気となっていましたので、教育普及センターのツイートとどちらを見たのか不明です。

換羽期を終えた冬のスバールバルライチョウ 「(公財)東京動物園協会提供」
換羽期を終えた冬のスバールバルライチョウ 「(公財)東京動物園協会提供」

丸くなっているスバールバルライチョウの姿はなんともおさまりがよく、見ていて癒されるが、これは保温性を保つための行動だった。また“豆大福”に見えたのは、羽が秋から冬用に変わる途中だったからのようだ。

今は羽は真っ白な姿となったようなので、豆のない“大福”姿で来園者をお出迎えしてくれるかもしれない。

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プライムオンライン編集部
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