埼玉アストライア・加藤優選手:
プロ生活4年間、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

女子プロ野球の世界で「美しすぎる野球選手」として話題となった加藤優選手がチームからの退団を発表した。

実は加藤選手を含め、リーグに所属するプロ選手71人の約半数に当たる36人が今シーズン限りで退団するというのだ。11月8日には、そのうち31人が2チームに分かれて対戦した退団試合も行われた。

女子プロ野球リーグで発生した選手の大量退団。一体なにがあったのか?

W杯では6大会連続優勝も全チームを1社で運営

2010年、目の総合健康企業である「わかさ生活」が、女子野球選手の願いを叶える舞台として設立した女子プロ野球リーグ。

現在は、都市名が付けられた「京都フローラ」、「愛知ディオーネ」、「埼玉アストライア」の3チームと、育成チーム「レイア」の4チームで構成され、3チームは約60試合のリーグ戦の他にカップ戦も戦っているが、実はすべてのチームが「わかさ生活」1社により運営されている。

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日本の女子野球は世界でもトップレベルで、世界約10の国や地域が参加して2年おきに開催されるワールドカップでは、2008年から2018年まで6大会連続で優勝という実績を残している。

その一方で、日本の女子プロ野球の来場者数や収益実績は厳しい状況が続いている。2019年8月に新規参入企業を募集したが、契約には至らず、11月1日、選手36人の大量退団が発表されることとなった。

退団発表の選手がコメント 来シーズンはどうなる?

今シーズンでの退団を発表した選手たちは、次のようにコメントしている。

京都フローラ・中村茜選手:
この夢の舞台で野球をやっている女の子たちや少年たちの目標であり続ける場でプレーさせてもらったことが、一番の思い出となっています

埼玉アストライア・加藤優選手:
これからも私は野球を続けていきますので、ぜひ今後もご声援よろしくお願いします

今回の大量退団について、スポーツライターの小林信也氏は…

スポーツライター・小林信也氏:
わかさ生活が1社だけで(頑張って)やっている。そこに参入してくれる他の企業がなかった。これが問題だったんですね。せっかく世界で勝っているのに、なぜ日本の人たちの注目を集められなかったのかというのは、検証すべき課題だと思います

来年で設立から10年を迎える女子プロ野球リーグ。今後に向けての課題とは?

スポーツライター・小林信也氏:
全国を回って、男子のチームであっても交流試合をして、女子プロ野球のレベルの高さ、あるいは情熱の熱さを地道に全国に伝えていくことも、本当はしてもよかったのでは…

来シーズンのリーグ所属選手は、今回退団しなかった35人に加え、入団テストの合格者8人になるとみられているが、現在の4チーム体制が維持されるかはまだ発表されていない。

小林氏は「選手の数を考えると、2チーム体制になるのでは」と分析している。

(「めざましテレビ」11月12日放送分より)