「地震、津波の早期警告を受け取りたいし、安全になりますか?」
これは6日に気象庁が注意を促した「迷惑メール」の最初の文章。
ご覧のようにおかしな日本語で、地震・津波の早期警報のアプリを気象庁が開発したとしてダウロードさせようとする文面が続くのだが、現在、気象庁はアプリの配布は行っていない。
誤って正体不明のアプリをダウンロードしたりしないよう注意を呼び掛けている。
実はこの「迷惑メール」のデザインは、本当に気象庁が使っている「報道発表」資料とそっくりなのだ。
本物はPDFファイルだが、もし迷惑メールを受信したらどう表示されるのか?
何をダウンロードしようとしていて、どうすればよいのか?
気象庁に聞いてみた。
報道発表に似せた迷惑メールは初めて
――どんな「迷惑メール」なの?
HTMLメールになっていまして、メールアプリで開くと発表した画像のようなメールがそのまま表示されます。
添付ファイルを開いたり、どこかのURLからダウンロードしたりして、表示するわけではありません。
冒頭のロゴや画像は、気象庁のものをそのまま使ったと思われます。
メール中の画像は、完全には確認できていないんですが、気象庁のものではなくどこかにある画像を使ったものと思われます。
編集部で確認したところ、大手携帯会社が「緊急速報メール」を解説するページで同じような画像が使われていた。
――気象庁の「迷惑メール」は、この他にも報告されている?
過去に2回ありましたが、それらは単純なテキストのメールでした。
報道発表を精巧に似せているのは初めてです。
――発覚した経緯は?
メールを受信された方から気象庁の方にご連絡をいただきまして発覚しました。
それがいつ受信したかについての情報はないのですが、お知らせを頂いたのは6日の午前です。
以降、7日にかけて何件か連絡があり、あわせて5件程度になっています。
気象庁は6日のうちに公式サイトとTwitterを通じて「迷惑メール」に気を付けるよう注意を呼び掛けている。
不正ソフトウェアがダウンロードされる
――メールのリンクをクリックするとどうなる?
気象庁とは関係のない、不正ソフトウエアがダウンロードされることは分かっております。
それがどのような働きをするかは分かっていません。
――被害は出ている?
気象庁には連絡がなく分かりません。
――「迷惑メール」の発信者を訴えないの?
現在、警察等への相談を含め、どのような対処をとるのがいいのか、検討しております。
――もし「迷惑メール」を受け取ったらどうすればいい?
そのまま破棄していただくのが一番安全です。
決して、リンクをクリックしたり、ダウンロードなどなさらないようにしてください。
被害にあわれた場合は警察に通報されるのがいいと思います。
今回の迷惑メールは内容も日本語も、よく見れば変だと分かるものだった。
しかし今後、さらにそっくりで巧妙な“だましの手口”が出てくる可能性もあるので一層の注意が必要になりそうだ。