歩行中の交通事故での死傷者数が一番多い年齢は7歳

交通事故は自分がどれだけ注意していても、ときには被害に遭ってしまうこともある。

特に子どもとなると、周囲への注意力が大人と比べて低く、交通事故に遭ってしまう可能性が高いかもしれない。

実際、公益財団法人 交通事故総合分析センターの資料では、交通事故での歩行中の死傷者数が多い年齢は7歳というデータもある。小学校に入学して活動範囲が広がり、放課後や慣れない登下校時に交通事故に遭ってしまうようだ。。

歩行中の交通事故 年齢別の死傷者数 出典:公益財団法人 交通事故総合分析センター資料 (2015 年)
歩行中の交通事故 年齢別の死傷者数 出典:公益財団法人 交通事故総合分析センター資料 (2015 年)
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そのような中、ホンダの子どもたちを交通事故から守る取り組みがTwitterで話題となっている。それがこちら。


「運転手が1番ビビるのは警官・パトカーやろ」つってホンダが作った子供用トートかわいい。「肩にかけるおまわりさん」というコンセプトもかわいい。

車メーカーが車のみならず歩行者側からも事故防止に努める流れもよき



警察官の制服と反射チョッキをモチーフとしたカバンを投稿したのは「Rei Hanada」(@0hana613)さん。日が暮れた夜に、子どもがそのカバンを持っているのを自動車の運転席から見ると、一瞬、まるで警察官がいるように見える仕組みとなっている。


このカバンは、ホンダが「肩にかけるおまわりさん まもってトート」と題して提案。Twitterでは「さすがHondaイズム!」「販売してほしい!!」などの声があり、大きな反響となっている。

たしかにこのアイデアは秀逸だが、なぜカバンで交通事故防止をしようと思ったのだろうか? ホンダの担当者に詳しく話を聞いた。

歩行中の死傷者数は7歳が突出して多いグラフを見て衝撃


――作ろうとおもったきっかけは?

私は小学校に入学する子どもがおり、一人で登下校が始まる前に安全な道の歩き方を身につけてくれるように、出かけるときは「とまる・みる・まつ」(交差点では必ず止まって、左右を確認して、クルマが来ていなければ渡る)という安全な道の歩き方を繰り返し教えていました。

そんな中、社内で話をしている最中に歩行中の死傷者数は7歳が突出して多いというグラフを見て衝撃を受けました。

事故に気を付けなくてはいけないと思っていましたがここまで7歳の事故が多いとは知らず、子どもの事故を減らすために何かできることはないだろうかと考え始めました。

魔の7歳については意外と知られていないのではないか? 世の中の皆さんにお伝えすることで“7歳の事故の多さ“に気づいていただき、ご家庭での交通安全教育をもっともっとしていただけるようにしたい。ドライバーの皆さんには子どもを見かけたらもっと安全運転してもらえるようにしたい。それによって子どもの交通事故が少しでも減らせれば、ということから今回の企画をスタートしました。


――なぜおまわりさんの制服に見えるデザインにした?

魔の7歳を伝えるのにただ発信してもなかなか伝わらないと思い、皆さんに興味をもっていただくには何かきっかけが必要だとなのかチームで考えました。

子どもの交通事故の特徴として、1年のうち日が暮れるのが早くなる10月に事故が多発する傾向があり、反射材を身につけることが有効です。

また、最近運転していると「反射材をおまわりさんの制服の形に貼り付けた看板をよく見かけるよね」「あれを見ると安全運転しなきゃと思う」という話もあり、それらがきっかけでおまわりさんをモチーフにしたまもってトートが生まれました。


――どのくらいの距離から認識できる?

距離のテストは行っていませんのでお守りのような存在と思っていただければと思います。一番大切なのは交差点では「とまる・みる・まつ」という安全な道の歩き方をご家庭で繰り返し教えていただくことです。


――無料配布したということですがどのくらい?もう終了した?

1000個配布しました。配布は終了致しました。


――手に入れるにはどうしたらいい?

まもってトートのウェブサイトに手作りの方法を載せています。市販のトートバッグにリフレクターテープを貼り付けるだけで作れますので、ぜひご家庭でお子さんと作ってみてください。


――作り方もホームページに載っているが難しくはない?

市販のトートバッグにリフレクターテープを布用両面テープなどで貼り付けると作れますのでぜひお子さんと一緒に作ってみてください。

肩にかけるおまわりさん まもってトートの作り方 Honda HPより引用
肩にかけるおまわりさん まもってトートの作り方 Honda HPより引用

ご家庭での交通安全教育をもっとして欲しい


――こだわった部分は?

苦労というより、こだわった点になるのですが1年生から低学年の子どもが持つことを考えて学校に持って行く荷物や、習い事の道具が入って、大きすぎず持ちやすいサイズにしています。また、肩にかけた時におまわりさんの制服に見えるようにある程度張りのある生地にすることなどにこだわりました。


――こうした事故防止のグッズはこれまでにも作っている?

グッズとしては制作していないと思いますが、子ども向けの交通安全教育プログラムを複数開発し、指導者を育成して全国で展開しております。幼児向けのプログラム「あやとりぃ ひよこ」は2018年度だけで約4000回開催しており、27万人以上のお子さんに受講していただいております。(概算)


――どんな人に使って欲しい?

交通事故の特に多い小学1年生を中心としたお子さんに使っていただきたいです。


――もらったこどもたちの感想あれば教えて下さい

「かっこいい!」「すごい!光ってる」「おまわりさんだ!」「今日から習い事に使うね」など嬉しい言葉をもらいました。


――ネットでも話題になっていますが反響をどう思う?

まもってトートをきっかけにご家庭での交通安全教育をもっともっとしていただけたら嬉しいです。ドライバーの皆さんには子どもを見かけたら、より安全運転するようにしていただき、少しでも子どもの事故を減らせたらと思っています。

画像はイメージ
画像はイメージ

最近は日が暮れるのも早くなった。かばんの作り方はHPに載っているので、親子で作ってみるのもいいかもしれない。一緒に作ることで、今一度、交通安全に関する意識を共有できる良い機会になることだろう。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。