シャープが新たな「特殊詐欺対策機能付き電話」を開発

警察庁によると、2019年上半期の特殊詐欺の認知件数は8025件、被害額は146億1000万円に上り、深刻な状況が続いている。

こうした中、シャープが“警視庁の犯罪抑止対策本部”と“大阪府警察本部の特殊詐欺対策室”からアドバイスを受け、防犯機能を強化した、「詐欺・迷惑電話対策機能付きの電話機」を開発し、11月14日に発売する。

それが、親機コードレスタイプの「JD-AT95CL」と、スタンダードタイプの「JD-AT90CL」だ。

JD-AT95CL
JD-AT95CL
この記事の画像(7枚)
JD-AT90CL
JD-AT90CL

強化された主な防犯機能は、「自動着信前警告」と「自動聞いてから応答」。

「自動着信前警告」は、電話が鳴る前に自動で「この通話は防犯のため録音されます」とメッセージを流し、悪意のある相手をけん制する機能。

「自動聞いてから応答」は、「自動着信前警告」で警告しても、相手が電話を切らなかった場合、「ただ今、振り込め詐欺対策モードになっています。恐れ入りますがあなたのお名前を…」と、名前を確認するメッセージが再生される機能で、相手を確認してから電話に出るか判断できる。

現行機では着信があると警告メッセージ、名前確認を自動で行う前に着信音が鳴るため、最初のベルでユーザーが反射的に電話に出てしまう可能性があった。
ところが、この機能によって、電話に出る前に相手の名前と声を確認できるので、不審な電話にうっかり出てしまう可能性を大幅に減らすことができるのだという。

この他には、どのような防犯機能が強化されているのか?
また、警視庁などから、どのようなアドバイスを受けたのか?

シャープの担当者に話を聞いた。

自動でお断りしてくれる「迷惑ストップボタン」も追加

――警視庁や大阪府警からはどのようなアドバイスを受けた?

警視庁や大阪府警と面談させていただいた際に、弊社独自の自動で相手の名前を確認する機能「自動聞いてから応答」についてはご評価いただく一方で、以下の2点のアドバイスをいただきました。

・「極力、犯人の電話に出させない」という観点から言うと改善の余地がある
・ナンバーディスプレイの契約をしなくても、利用できる機能が望ましい

これらのアドバイスを受け、直接、電話に出ることなく、相手を撃退したり、確認したりできるように「自動着信前警告」と「自動聞いてから応答」を付け、防犯機能を強化しました。

――「自動着信前警告」「自動聞いてから応答」以外には、どんな機能が強化された?

強化した機能は主に2点で、「迷惑ストップボタン」と「あんしんランプの大型化」です。


――それぞれ、どんな機能?

「迷惑ストップボタン」からご説明します。

現行機では通話中に「メニューボタン」を押して、「0」ボタンを押すと、お断りメッセージが流れて電話が切れ、同時にお断り番号リストに登録していました。

新しく設けた「迷惑ストップボタン」では、着信中・留守応答中・通話中に押すことができ、ワンタッチでお断りメッセージが流れて電話が切れて、次回以降、着信しても呼び出し音が鳴らず、自動でお断りしてくれます。

――「あんしんランプの大型化」は?

「あんしんフラッシュボタン」は、登録していない番号からの着信は赤く光り、登録している番号からの着信は緑色に光る機能です。

これが今回、お年寄りに配慮して、ランプが親機・子機ともに大きく、明るくなっております。

また、従来からの「着信中」に加え、「通話中」や「通話後(かんたん通話後番号設定時)」、「着信記録リスト表示中」や「留守/通話録音再生中」にも光るなど使用シーンも増えました。

警視庁、大阪府警のアドバイスを受けて、防犯機能が強化された、シャープの新たな電話機。
特殊詐欺の手口が変化する中、「極力、詐欺の電話に出させない」ことが一番の予防策であることは間違いないだろう。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。