焼け落ちていく姿を呆然と…

沖縄戦での焼失を経て復元された首里城は、沖縄にとって象徴のような存在で観光客にも人気のスポット。
正殿を含む3棟が全焼、7つの建造物が燃えた火災の衝撃は大きく、悲しみと落胆が広がっている。

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「周辺一帯、炎上の恐れがあります。近くにいる皆さんは避難をお願いします」
警察のマイクが響く中、本来は首里城の美しい姿を見ることできる龍潭(りゅうたん)と呼ばれる池の近くには住民などが駆け付けて、呆然と眺めていた。
焼け落ちていく“シンボル”の姿に涙を流す人もいた。

首里城の近くに住む女性は「小さいころから遊んでいた場所で、悲しくて何とも言えない」と言葉を詰まらせた。
交通指導員として18年間、毎朝地元の子どもたちの様子を見守ってきた別の女性は「泣きながら登校する子どももいた。(燃えているのを見るのが)怖くて現場には行けない」と話した。

明日 見学予定だった観光客も

地元新聞は号外を発行。
午前7時半頃、県庁や国際通りすぐ近くの那覇市中心部で通勤途中の人々に配布した。
会社員の女性は「朝から家族でニュースを見ていた。復元までにどれくらいの時間と労力がかかるのか」と肩を落とした。
号外の紙面を手に取った男性は「沖縄を代表する施設がこういうかたちで無くなるのは残念。言葉が出ない…」と絶句。
大分県から観光に来たという女性は「明日首里城に行く予定で楽しみにしていた。沖縄の皆さんの苦しみを思うと涙が出てくる」と話した。

これまでに6000万人が訪れた首里城。
東京オリンピック・パラリンピックの沖縄県内の聖火リレーのスタート地点となっていた。

那覇市の城間幹子市長は緊急の記者会見で「大変衝撃を受けている。歴史的な財産、シンボルを失った。観光に影響する事も非常に大きいと思う」と述べた。

(沖縄テレビ)

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