人気の植物園で婚礼撮影が有料化

これから本格的な観光シーズンを迎える古都・京都。
婚礼前に写真を撮影するスポットとして人気の京都府立植物園で、商業用の撮影が11月から有料となり、物議を醸している。

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京都市街の北部にある京都府立植物園は、広大な敷地に四季折々約1万2000種類の植物が植えられている。
園内では樹齢100年を超えるクスノキ並木などをバックに、2018年度は約3000件の商業用撮影が行われたという。

10月までは、200円の入園料を支払えば何時間でも撮影が可能だったが、現在は撮影時間は2時間半が目安で、平日は1万2000円という料金設定。
通常の土日祝日と、紅葉シーズンとなる11月15日から12月15日の平日は1万7000円。さらに、同期間の土日祝日の料金は5万1000円にアップする。

取材した11月5日には、カップルが有料での撮影を行っていた。

撮影に来たカップル:
神社とかでもお金を取る所は取っていると思うので、それを考えると仕方ない。今まで無料だった方がありがたい話です。

有料化の理由は「撮影時のマナー違反」業者の反応は?

植物園はなぜ有料化に踏み切ったのか?職員に理由を聞いた。

京都府立植物園 岡垣勝技術課長:
撮影の途中に土の所まで足を踏み入れる方もおられる。直接苗を踏んでしまう、あるいは傷つけた事例もありました。

また、業者かどうかは不明だが、撮影者が立ち入り禁止のエリアに入ったため、芝生の一部が変色していた。

また、春に桜が咲き誇る小道では…

京都府立植物園 岡垣勝技術課長:
ここで撮影が始まると道を遮断してしまうことになるので、一般のお客さまの通行を妨げる原因になっています。トラブルが起きやすい。

撮影場所を占拠するなど、目立つようになったという撮影時のマナー違反。そこで11月から有料化し、ある対策を実施している。

京都府立植物園 岡垣勝技術課長:
撮影に同行するような形で、監視できるような体制をとれないかと。

11月5日に行われた園内での撮影では、離れた場所から見守る警備担当者の姿があった。一般の利用者がそばを通ると丁寧に誘導し、撮影隊が移動すると距離を保ったまま警備担当者も移動する。

この警備や園内での撮影を管理するのは、京都市内にある「TAKAMI BRIDAL」。撮影料金はどのように決めたのか。

TAKAMI BRIDAL 中尾浩之マネージャー:
神社・仏閣の婚礼前に撮影するプランを作っているのですが、そこをイメージしながら適正価格をそれぞれ設定しています。撮影数が多くなってくると、それだけ人の配置が必要になってきます。

そのため撮影料も高く設定しているということだ。今回の有料化について、京都の撮影業者は…

京都のブライダルフォト業者A:
植物園は敷地も広いですし、四季折々の色々な草木のロケーションを背景に撮れるので結構、困惑していますね。

京都のブライダルフォト業者B:
割高ですよね、はっきり言って。入園料200円だからみんな行ってたんです。

――金額は誰が負担する?

京都のブライダル業者B:
最終的にはお客さんに出していただきます。

他にも、有料化によって植物園での撮影をあきらめた依頼者もいたという。

撮影を管理運営するTAKAMI BRIDALによると、2020年の桜のシーズンも最大5万1000円の撮影料金を実施する予定。

(「めざましテレビ」11月6日放送分より)