おばあちゃんの分まで生きる…
台風19号により、宮城県内各地で土砂崩れが発生した。宮城県丸森町耕野では土砂崩れの影響で、83歳の女性が犠牲となった。土砂崩れの瞬間まで一緒にいた孫があの日のことを語った。
八巻一生さん:
ばあちゃん元気だったので、こんな死に方するばあちゃんじゃなかったですから…
八巻一生さん(37)。丸森町耕野の自宅で、一緒に暮らしていた祖母のちゑさん(83)を亡くした。
八巻一生さん:
これが和室。おばあちゃん見つかったのはこのあたり。いつも座ってたソファーはこれなので
この写真は10月11日、体操教室に参加する八巻さんを撮影したもの。
この翌日の12日午後9時ごろ土砂崩れが発生した。
一生さん、そして一生さんの両親、ちゑさんは、自宅にいた。危険を感じ、避難をしようと、家族で準備をしていたその時だった。
八巻一生さん:
準備している間に親父と私は2階に上がって、おふくろとばあちゃんが1階で「外に出よう」と言って、おふくろが玄関辺りにいて、ばあちゃんが和室とふすまの間辺りに居たらしいんですが、その時に大きいのがドンと来て
1階の玄関にいた母親は土砂により外へ押し流され一命をとりとめたが、ちゑさんは居間のソファーの近くで、土砂に挟まれた状態で発見された。
一生さんと父親は、2階から屋根伝いに逃げてきたという。
八巻一生さん:
とっても残念ですね。昔の洪水でもうちあたりまで水は来ないし、避難せずに家にいたんですけども、そういう過信せずに逃げておけばと、いまさらになって思いますけども
28日も、現場を訪れた一生さん。偶然、自分がちゑさんにプレゼントしたタンブラーを見つけることができた。長年、ちゑさんが愛用していたタンブラーだ。
八巻一生さん:
水をよく飲む人でタンブラーあげたら気に入って使っていた。家の前に水入れて飾ってあげます。明るくて優しいばあちゃんでしたよ。4人この中にいて3人生き残ったので、ばあちゃんに『生きろ』って言われてると思って、強く生きていこうと
(仙台放送)