めざましテレビ・ココ調取材班が、千葉市の大手スーパー・イオンを訪れると…

横山ルリカ リポーター:
サケや筋子などに同じ青い魚のマークがついていて、「海のエコラベル」と書いてあります。

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これは「サステナブル・シーフード」と呼ばれる魚介類で、産卵前の魚や稚魚を捕らないなど、適切に管理された水産物を指す。10月31日にマクドナルドが25年ぶりにリニューアルした「フィレオフィッシュ」も、このサステナブル・シーフードを使っている。

しかし、そもそも「サステナブル」とはどのような意味なのか?

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 蟹江憲史教授:
直訳すると「持続可能な」という意味です。エコは「環境」だけですが、サステナブルは「経済・社会・環境」という3つくらいの分野があって。我々の世代もその次の世代も同じような環境を楽しめるような社会を作っていく、というコンセプトがサステナブルです。

この環境を守りながら上手に社会を発展させ、将来まで持続可能な地球を作ろうという「サステナブル」な取り組みは、私たちの身近にも広がっている。2018年11月には、楽天がサステナブルな商品だけを購入できるサイト「EARTH MALL with Rakuten」をオープンした。

今回の「ココ調」は、食品や衣料品といった身近に広がるサステナブルな取り組みを調査した。

生鮮食品から惣菜まで!68種のサステナブル・シーフード

最初に向かったのは、千葉市美浜区にあるイオンスタイル幕張新都心店。

横山ルリカ リポーター:
あ~スゴイ!冷凍食品の方にも、何でもこのマークがついているんですね。

国内の漁業・養殖業の生産量は、約30年前のピーク時に比べて3分の1にまで減少。そこで、漁獲量を調整するなど、適切に管理して捕られた水産物にマークをつけたのが、この「サステナブル・シーフード」だ。

イオンでは、生鮮品だけでなくパックに入った総菜やちくわなどの加工品、寿司やおにぎりの具材など、68種類ものサステナブル・シーフードを扱っていた。商品の特徴は?

イオンリテール 水産商品部 松本金蔵部長:
小さい魚は捕りませんので、自然を守ると同時にお客様にも、価格の面でも安定してくるというメリットがあります。

食パンで世界を守る!?国産小麦でCO2を削減

続いて、大阪市鶴見区で人気の街のパン屋「ダンクブロート」で見つけたサステナブルな商品は、素材にこだわって作ったフワフワ食感の食パン。

ダンクブロート 吉村貫さん:
こちらの食パンは国産小麦を使っておりまして。海外から粉を持ってくると二酸化炭素や輸送費がかかりますので、(国産を使って)その分CO2を削減しています。

また、完全予約制にして食品ロスをなくすなどのサステナブルな取り組みも実施している。

ダンクブロート 吉村貫さん:
こういう小さな地域に密着したパン屋さんでやることによって、されど食パンですが、この食パンが世界を救う日がくるのではないかと信じております。

海洋プラスチックごみがウェア&スニーカーに変身

一方、衣料品分野でもサステナブルな取り組みが始まっている。東京・渋谷区の「アディダス ブランドコアストア渋谷」を訪れると…

アディダス ジャパン コーポレート コミュニケーション 山下瑠美さん:
こちらが海洋プラスチックごみを使った製品です。

横山ルリカ リポーター:
海洋プラスチックごみですか!?触ってみてもプラスチック感ゼロですね。

年間で約480万トンも出ていると言われる海洋プラスチックごみをスニーカーやウェアに生まれ変わらせているのだ。

アディダス ジャパン コーポレート コミュニケーション 山下瑠美さん:
アッパーというこの糸の部分に、海洋プラスチックごみが含まれています。

回収したプラスチックごみを細かく砕き、靴やウェアを作るための糸を作る。プラスチックごみを使っていないスニーカーと比べても、見た目はほとんど変わらない。

さらに、2019年6月から新たに始めた取り組みがあるという。

アディダス ジャパン コーポレート コミュニケーション 山下瑠美さん:
もう1つのサステナビリティへの取り組みである「衣類とシューズの回収BOX」です。

アディダス以外でもOKだという回収BOXは全国14店舗に設置され、物によってはリサイクルやリユースして活用し、将来はアディダス製品への活用も考えているという。

アディダス ジャパン コーポレート コミュニケーション 山下瑠美さん:
プラスチック素材と切り離せないスポーツ業界だからこそ 、責任感を持ってプラスチック問題に取り組まなければいけないと考えています。

飲料メーカーに「サステナブル専門」部署 仕事内容は?

さらに、同じくプラスチックと切り離せないこちらの企業には、「サステナビリティ推進部」という部署がある。

サントリーホールディングス サステナビリティ推進部 内田雄作課長:
より持続可能な形で、サントリーがずっとペットボトルを使い続けていくためにはどうしたらよいかを考えている部門でもあります。

プラスチックを使わざるを得ない飲料メーカーだからこそ、サステナブル専門の部署をつくり、ペットボトルのリサイクルに力を入れているのだ。

サントリーホールディングス サステナビリティ推進部 内田雄作課長:
キレイなペットボトルを回収してこないと、異物などが混入してしまいますので、安全性上問題が発生します。

街中の自販機横にある回収BOXには、ガムやファストフードの食べ残しなどのゴミが入っていることも多く、キレイな状態で回収することが難しいという。

サントリーホールディングス サステナビリティ推進部 内田雄作課長:
自動販売機の横にあるBOXは決してゴミ箱ではなくて、ペットボトルの回収BOXだということを皆さまにもよく知っていただきたいなと。

リサイクル率80% 日本一サステナブルな町

そんなゴミ問題に取り組む町があると聞き、ココ調取材班が向かったのは、徳島県上勝町。
人口1500人ほどの徳島で一番小さいというこの町は、国内外から年間1000人以上がゴミ対策を視察に来るという超サステナブルな町なのだ。

アメリカから視察に訪れた女性:
すごく感心したし、町が変化に適応して、大規模にリサイクルに取り組むことにしたのはすごくいいと思う。

台湾から視察に訪れた女性:
リサイクルだけじゃなくて、ゴミそのものに対してより取り組まなければいけないと思いました。

その拠点となるのが、住民自らがゴミを捨てに来る町で唯一のごみステーション。世界も注目するごみの解決法とは?

上勝町役場 企画環境課 菅翠さん:
紙類だけで9種類に分けています。

横山ルリカ リポーター:
紙の芯も「柔らかいもの」と「硬いもの」に分かれていますが、それぞれの価値観になってしまいませんか?

上勝町役場 企画環境課 菅翠さん:
手で畳めるか畳めないかというところで、分別しています。

他にもビンは色別に3種類、プラスチック類も白トレイやペットボトルなど、細かく分別。

上勝町のごみ分別は、なんと45種類。

上勝町役場 企画環境課 菅翠さん:
素材ごとに分けていないとリサイクルができないので、こういった形で住民に協力をお願いしています。

徹底した分別で、今やリサイクル率は80%に。

上勝町の住民女性A:
慣れたらなんともない。簡単なっていうかな。もう環境が1番でな。

上勝町の住民女性B:
ムダなものを買わないとか、ゴミを生かして使うとか、すごく勉強になるし面白い。

上勝町は、リサイクルだけでなくゴミを出さない取り組みも行っている。町内の「カフェ・ポールスター」を訪れると…

カフェ・ポールスター 東輝実オーナー:
うちのお店では、基本的に量り売り。調味料を主に量り売りさせていただいています。

このカフェでは、米やコーヒー、油やしょう油などの調味料、洗剤までもが量り売りで販売。 必要な分だけ販売することで、ゴミの削減や食品ロスの対策になっているという。

さらに町を見ていくと、インパクトのある外観の建物を発見。

横山ルリカ リポーター:
うわー!内部も天井が高くて、オシャレなお店ですね~

RISE&WIN スタッフ 池添亜希さん:
こちらの建物は全部、廃材からできている建物です。

「RISE&WIN Brewing Co. BBQ&General Store」は、廃校になった小学校の窓枠や解体した家などから出た廃材で作られた、レストラン併設の地ビール工場。

RISE&WIN スタッフ 池添亜希さん:
もう捨てられるようなものに、もう一度光を当てるような工夫をしています。

また「くるくる工房」では、使われなくなったものをリメイクして販売。

くるくる工房 北井道代さん:
こいのぼりでリメイクして、パーカを作っています。

商品はすべて住民の手作りで、こいのぼりで作ったご祝儀袋や着物で作ったぬいぐるみなど、どれもゴミになるはずだった素材から生み出されたものばかりだ。

横山ルリカ リポーター:
こいのぼりリメイクパーカーは、厚みがしっかりありますね。

最近は、外国人観光客からもオーダーが入るほどの人気だという。

くるくる工房 北井道代さん:
捨ててしまえばゴミだけど、まだまだ使える。ほんま宝の山ですね、ゴミじゃなくて。

(「めざましテレビ」『ココ調』11月1日放送分より)

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