八千草薫さんの“女優魂”とは?

カテゴリ:国内

  • 女優・八千草薫さんがすい臓がんのため88歳で死去
  • 八千草さんと親交のあった俳優陣を取材
  • 高橋克実が共演したときのエピソードを語る

映画、舞台など幅広く活躍し“日本のお母さん”と呼ばれた女優の八千草薫さんが、10月24日にすい臓がんのため死去していたことが28日分かった。88歳だった。

八千草薫さんの女優魂とは

「直撃LIVEグッディ!」は八千草さんの“女優魂”について取材した。
八千草さんと40年来の親交があった、俳優・柳生博さんは、八千草さんについて…

柳生博さん:
僕よりちょうど7つ、6つぐらい上かな。だからちょうど、ちょっと年の離れたわんぱく弟と、ちょっとおてんばなお姉ちゃんという感じかな。役者をやっていて、その役作りに悩んでいるような顔は1回も見たことない。とっても自分を表に出してくる俳優さん。どんな役をやっていても毅然として、そして怒っているシーンでも優しくて…あの声でね。いわゆる演技派の女優さんじゃなくて、“何をやってても八千草薫”なんだよね。それが僕は大好きです。

柳生博さん:
最初に入院したと聞いたとき、「これはいい機会だから、連続ドラマはちょっと休んだら」という言い方をしたのね。僕から見たら痛々しかった。“もっと奔放な昆虫(好き)少女”が僕がいつもお付き合いしていた八千草さんだから。

ーー八千草さんに贈りたい言葉は?
柳生博さん:
正直なこと言っていい?「僕ももうすぐ行くから、向こうで生き物たちと遊ぼう」という感じかな。

1981年、八千草さんがヒロインを務めるドラマでツッパリ役として共演した嶋大輔さんは…

嶋大輔さん:
最初に顔合わせでご挨拶に行った時も、じーっと自分の頭をご覧になって「その髪形は何て言うの?」って聞かれたのが最初のお話で。当時ツッパリ用語というのがあって、“メンチ切る”とか“ガンくれてる”だとか“アンパン吸うな”とかセリフがあるんですけど、分からないセリフを一個一個、わざわざ足を運んで僕たちのところに聞きに来てくれたりとか。こんな大女優さんでも分からないことはちゃんと聞いて勉強されるんだなというのはものすごく印象に残っています。

2019年3月、ドラマで八千草さんと夫婦役で共演した里見浩太朗さんは…

里見浩太朗さん:
23歳の時に(初めて八千草さんと)会った時のインパクトが強すぎたんですよ。恋多き青年時代に、こんなきれいな女優さんがいるのかって。東映にはきれいな女優さんがたくさんいましたよ。でも(八千草さんには)特別何か、違うものを感じていました。

八千草さんは、2017年の春に乳がんが見つかり手術。さらに12月にすい臓がんも判明し、2108年1月、87歳の高齢ながら6時間におよぶすい臓の全摘手術を受けていた。がんが見つかってからの2年間も変わらず仕事を続けてきた八千草さん。
2019年6月に出版された著書にはこう書かれている。

“体力も筋力もどんどん落ちていきます。(中略)ただ、だからと言って流されるがままでいることは不満です。自分でできるだけ、それに抵抗していきたいのです”

“「無理をしないでどうするのかな…」「どこかでちょっと頑張るほうが、”生きている“って感じがするのにな…」そう思うのです”

“のんびり静かにしすぎたら、人生全体がつまらなくなってしまうでしょう?だから『ちょっとだけ無理をする』くらいの気持ちでいようって。『甘えないで自分でやれ!』自分で自分に、そう言い聞かせています”

ちょっとだけ無理をすること、それが生きている実感をくれる。だからこそ、八千草さんは自分自身を奮い立たせ、撮影現場に向かっていたのだろうか。

すい臓がんの手術から7カ月後の2018年8月には、家族の絆を描いた舞台で1カ月半にわたり主演を務め、20公演以上をこなした。

しかし2019年1月、肝臓への転移が判明。そして2月に初めて、公式ホームページ上で闘病の事実と、治療に専念するためドラマを降板するという苦渋の決断を明かした。70年以上の女優人生で病による降板は初めてだったという。

2019年、八千草さんが降板したドラマに出演した石坂浩二さんは…

石坂浩二さん:
八千草さんが役を降りられて、その後一度撮影している現場にお見えになったんです。夏前ですね、6月ぐらいでしたか。それだけはやりたいとおっしゃってくださったって。それを1日でしたけれども、全部で6つくらいのシーンを撮影しました。

石坂浩二さん:
お目にかかったのは最後だったんですけど、その時も本当に元気で。(八千草さんは)なんとも言えない声だなと、まだ耳に残っていますけど…。あの声がないのかなと思ったら…悔しいですね。

安藤優子キャスター:
克実さんは、八千草さんと何度か共演されたことがあるんですよね。

高橋克実:
何本か一緒に仕事させてもらったんですけど、僕は世代的にファンというか。「前略おふくろ様」の第2シリーズで八千草さんは女将さんをやっていて。そういうのを見て育った世代ですので、八千草さんと一緒に仕事させてもらった時は、話しかけるのもドキドキするような感じでした。

高橋克実:
一番印象的だったのが、(撮影後に)着替えて帰られる時に、普通にジーパン姿で。ものすごくギャップを感じて、思わず八千草さんに「あれ?ジーパンとか履かれるんですね」ってことを言って、ニコニコ笑われたというのを覚えています。あと、僕は八千草さんの声がたまらなく好きでした。

安藤優子キャスター:
唇の形がとてつもなく魅力的な方だと思っていて。そこからゆっくりとした感じでお話される時のつやっぽさ。八千草さんのあの美しさは、中から出てくるものなんだろうなと感じます。

大村正樹フィールドキャスター:
誰もが「きれいな女優さん」という印象を持っていて、“日本のお母さん”でもあり“おばあちゃん”でもあり“奥さん”でもあり…すごくマドンナ的な存在であったと思います。

(「直撃LIVE グッディ!」10月29日放送分より)

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