女子中学生が泥水の中で…

未だ全容がつかめない千葉県などを襲った大雨被害。亡くなった人の半数が車の中で命を落としたことが分かった。
千葉県が記録的な豪雨に見舞われた10月25日、東金市で撮影されたのは冠水した道路で自転車を押す女子中学生の姿。
胸の高さまで水に浸かりながら、ゆっくりと前へ進む。
一部始終を撮影した男性が「大丈夫?」と呼びかけると、女子中学生は頷いた。

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女子中学生は無事だったが、この豪雨で千葉県と福島県で合わせて10人が死亡し、3人が行方不明となっている。

6歳息子を迎えに行く途中…

道路脇の竹林に手向けられた花。千葉県長柄町では、6歳の息子を迎えに家を出た54歳の男性が車ごと濁流にのまれ遺体となって発見された。

ながらこども園・安田昭子園長
穏やかな感じのお父さまで、まさかこういうことになるとは正直思っていませんでした。

妻を迎えに 体をロープで結び…

今回の大雨で死亡した10人のうち5人が、冠水した道路で車が浸水したり、車ごと流されたりするなど、運転中に巻き込まれた被害者だ。

千葉県長南町に住む81歳の鈴木仁一さんもそのひとり。

仁一さんは午前11時ごろ、介護ヘルパーをしている妻を軽トラックで迎えに行く途中に濁流にのみ込まれたとみられている。

その時の行動について息子の浩二さんは…

鈴木仁一さんの次男・浩二さん(50)
車が動かなくなって危ないからと思って、流されないようにロープで固定させて外に出たのだと思います。生きるために必死に頑張ったんじゃないかなと思っています。

軽トラックの荷台には流れてきた草木が残り、ハンドルやダッシュボードには流れ込んだ泥の跡が残されていた。

また、趣味だったカメラには夫婦で出かけた登山の様子や柴又帝釈天を訪れた時の写真が残されていた。
仁一さんは責任感が強く、曲がったことが大嫌いだったという…

鈴木仁一さんの次男・浩二さん(50)
この雨の中でおふくろを待たせるのは良くないって思ったんじゃないですかね。
やっぱり約束をきちんと守らなきゃっていう思っているような人なので…

と悲痛な思いを語った。

(Live News it! 10月28日放送分より)

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